GPT-4oの衝撃
今週のはじめにOpenAIよりGPT-4oが発表されました。これは、ここ数年間で雨後の竹の子のように現れた生成AIとは完全に一線を画しており、Chat-GPTが発表された時以上の衝撃が走っています。GPT-4oは速度が向上し、APIの利用コストが半分になるなどの改善もありましたが、何よりも自然に音声で会話できるようになったのです。
これまでは音声で聴いたものを一度テキストに置き換えてそれを読むというような感じでレスポンスは非常に遅いものでした。しかし、GPT-4oでは人間が即座に返答するようなレスポンスの速さを実現しています。またそれだけでなく、画面を共有することができ、画面を認識して手取り足取り勉強を教えてくれる先生にもなってくれるのです。
中国語で会話してみて
僕も早速GPT-4oを試してみました。中国語で話かければ完璧な普通語で返答してくれます。何か知りたいときに即座に音声で聴いて、音声で返してくれるので、わざわざキーボードを打つ手間もなくなります。また当然専門的な内容だけでなく、日常のざっくばらんな会話もできるので一つの人格をもった相手としておしゃべりを楽しむことができます。
個人的にはネットワーク環境のせいなのか、あるいは中国語で話しかけているせいかレスポンスはOpenAIのデモよりも遅い印象でした。
教育業界には破壊的なインパクト
とはいいつつも、GPT-4oは教育業界には破壊的なインパクトがあると思います。しゃべって教えてくれる先生がいるようなものなので、言語関連(翻訳、通訳、教育コンテンツなど)の陳腐化はすごいスピードで進んでいくと思います。
GPT-4oを制限なく使うには20ドル/月(3,000円)ほどかかりますが、これで、中国語や英語での話し相手、プログラミング学習の手助け、また様々な業務改善に使えるとしたら、簡単にペイできると思います。なぜなら、1日1時間ネイティブのオンライン英語学習をしようと思うとそれだけで数千円かかるからです。
ますます人間の自制心が問われる
最近はAIの軍事利用に関して危機感が強まっています。どのようなテクノロジーもそれをどう使うか?は人に任されています。これまで以上に人間は人間の自制心をもってAIに向き合う必要が出てくると思います。
AIで楽をしようと思えばできます。しかし、AIを使えば能力を伸ばすこともできます。非常に残酷な事実ですが、AIを利用する者としない者とでは圧倒的な生産性の差が生まれてきそうです。僕個人はアナログの時代が好きなので、AIに対して否定的な立場ですが、自制心をもって使わざるを得ないと感じました。