NHKスペシャル
先日、NHKスペシャルの「臨界世界 – ON THE EDGE – 女性兵士 絶望の戦場」というドキュメンタリー番組を見ました。現在、ウクライナでは世界で一番女性兵士が多い国になっているそうです。その背景に多くの男性が戦死したり怪我やPTSDを患って戦線を離脱しているからです。
ウクライナでは女性は兵士として徴兵されることはありません。だから女性兵士はすべて自ら志願して軍に入隊していることになります。志願しているというのは、志願せざるを得ない状況になっていることだと思います。
もちろん、今の時代、ステレオタイプで女性はこうあるべきと決めつけるのはよくないとわかっています。しかし、僕は女性が戦場に行かないといけない世界を非常に悲しく思いました。
不快な世界
このドキュメンタリーでは戦争の悲惨さを伝えるために遺体や負傷者の映像が流れますというテロップが出た後に、目を覆いたくなるほどの負傷した痛々しい兵士の生々しい姿が映し出されます。また実際の前線で録画されたロシア兵との交戦の緊迫した映像も流れます。
適切な表現ではないかもしれませんが、こういった映像は非常に不快です。しかし、現実世界で起きているこの不快から目をそらすことはできないと思いました。そして、僕が生きている世界とは全く別の世界がそこに存在していること、またその世界がわずか3年前突如として訪れたということが信じられませんでした。
停戦
停戦すれば今日死ぬ人はいなくなるかもしれません。しかし、ロシア侵攻前の状態に戻すことを勝利として戦い亡くなっていった数万人の人たちはどうなるのでしょう。また将来に禍根は残らないでしょうか。
僕はこのドキュメンタリー番組を見て、切実に今日戦死する人がいなくなるようにと願いました。しかし、それには、大きな妥協と譲歩、力による現状変更の容認という将来に大きな問題を残すことになるかもしれません。
そして、それは決して他人事ではありません。それは、いつもの日常が3年前に突如として失われたウクライナの人たち同様のことが日本にも起こり得ることを世界が証明しているからです。