経験からくるマインド
昨日に引き続き、レイ・ダリオの本を読んで感じたことを書きます。人は原則的に自分が経験した範囲のことでしか考えられません。例えば、僕は生まれてこのかたずっとデフレの世界を生きてきました。僕が高校生の時はマクドナルドのハンバーガーが59円とかでした。牛丼も290円とかだったと思います。
そんな時代を長く生きてきた僕のマインドはこうなっていました。まず、金融経済的にはよくないかもしれませんが、実体経済を生きる一般庶民にとって安いことはいいことでデフレはそれほどわるいものではないということです。またデフレ期には物の価格が下がるので相対的に円の価値があがるということです。ずっとこの考えのまま生きてきました。
大きな転換点にいる
しかし、今は新しい転換期に立たされています。僕は生まれて初めてのインフレを体験しています。ここまでのスピードで物の価格が上がるということを感じたことはありませんでした。僕がそれを感じたのは2023年の9月頃で、1年前230円だったたい焼きが300円になったのを経験した時でした。
それからもずっと円安傾向は強まっています。10年物国債の金利が上がっても円安にはならないということもわかってきています。電気代、ガス代補助も5月末で打ち切られるので、秋以降にはこれまで以上にインフレを強く感じるのだろうと思っています。
近年では住宅ローンを組む7割~9割の人が日銀の短期プライムレートの影響を受ける変動金利で借りていますが、それもデフレマインドから起きた発想だと思います。教科書的には長期金利が低い時は固定金利で借りるというのが当たり前ですが、これからも短気プライムレートは上がらないと決め込んでしまう場合が多いのだろうと思います。
マインドを変える
これは経済に対するマインドだけではありません。戦中世代と戦後世代とでは平和を追求する強さが全く違います。それを体験した人としてない人とではマインドが違うのです。生まれた時から民主的な国で育った人と独裁的な国で育った人が民主主義を追求する強さは比にもなりません。
何が言いたいかというと、昨日書いたように、この世界には国栄枯盛衰のビッグサイクルがあり、衰退期には常識や経験を大きく覆すようなことが起こり得るということです。それは金融危機かもしれないし、戦争や天災や飢饉かもしれません。
時代の転換期にいることを認識したうえで、大切なことに専念していきたいです。