聖書通読にAI利用
先日はAIの技術に複雑な気持ちをもってはいますが、キャッチアップを進めていると書きました。使うシーンの大半は仕事における利活用になりますが一部プライベートでも使っています。特に聖書を読んでいる際に、時々Chat-GPTを使っています。それは原語でどういう意味なのか?がすぐに調べられるからです。
聖書は新約聖書はギリシャ語、旧約聖書はヘブライ語、一部はアラム語で書かれています。それが日本語に翻訳されていて日本人はそれを読んでいます。さらに日本語のバージョンもいくつかあります。
入ってくるバージョン
最近翻訳された翻訳のバージョンは表現がわかりやくすくなっていることがほとんどです。そして、かつて当たり前のように使われていた差別表現や不適切な表現が改められています。だから、新しい翻訳バージョンのほうがいうのは正しいことかもしれません。
しかし、昔から親しんだバージョンで読んだほうが「入ってくる」というのもあると思います。実際、年配のクリスチャンの方はお祈りで聖書を引用される時はだいたい文語訳ですし、僕自身も口語訳で暗唱聖句を続けています。
慣れ親しんだバージョン
僕は教会では新改訳2017を使っていますが、個人的には口語訳を使い続けています。理由としては、先ほど書いたように「入ってくる」というはもちろんのこと、通読から暗唱聖句までをシームレスにできるからです。だから、きっとこのまま口語訳で読み続けることでしょう。
しかし、問題があるのも事実です。それは「わかりにくい箇所がある」ということです。そういう時に原語で直接あたるのです。
原語で調べる
たとえば、愛という言葉に関して、ギリシャ語では複数の訳語があることはご存じだと思います。日本語の聖書もそういったことを考慮して翻訳されているかもしれませんが、原語でわかればより理解が深まるということがあります。
使い方としては下記のようになります。たとえば新約聖書で調べる場合、まず、Chat-GPTにギリシャ語の聖書を指定します。
ギリシャ語の聖書にはNestle-Aland Novum Testamentum GraeceやUBS Greek New Testamentがあります。いずれかを指定して、〇〇の箇所を原語で調べてと依頼します。たとえば、このような感じです。

得られる情報
そうするとこのような回答が得られます。参照元の聖書を指定すれば間違った回答をされる可能性が低くなります。
# ヨハネによる福音書 1章1節(Nestle-Aland版に基づく)
## 📜 原文(ギリシャ語:Nestle-Aland 28版)
> Ἐν ἀρχῇ ἦν ὁ λόγος,
> καὶ ὁ λόγος ἦν πρὸς τὸν θεόν,
> καὶ θεὸς ἦν ὁ λόγος.—
## 🇯🇵 日本語訳(逐語訳)
**初めに言(ことば)があった。
言は神と共にあった。
言は神であった。**—
## 🧠 語句と文法の解説
| ギリシャ語 | 品詞・文法 | 意味・補足 |
|————|————-|————-|
| Ἐν | 前置詞 | 〜の中に、〜において(時や場所) |
| ἀρχῇ | 名詞・女性・単数・与格 | 初めに(ἀρχή「始まり」の与格) |
| ἦν | 動詞「ある」(未完了過去・三人称単数) | あった、存在していた |
| ὁ λόγος | 定冠詞+名詞・主格 | 「その言(ことば)」、ロゴス、理 |
| καὶ | 接続詞 | そして、また |
| πρὸς τὸν θεόν | 前置詞句+対格 | 神と共に、神のもとに、親密な関係 |
| θεὸς | 名詞・主格(無冠詞) | 神性を表す(冠詞がない=本質的な意味) |
| ὁ λόγος | 再び主語 | 言(ことば)は… |—
## 🔍 解釈のポイント
– **λόγος(ロゴス)**:
– ギリシャ哲学の「理性」「秩序原理」、ユダヤ教の「神の創造のことば」を含む多義的な語。
– **πρὸς τὸν θεόν**:
– 神との親密で対等な関係。「with God」よりも「toward God」のニュアンス。
– **θεὸς ἦν ὁ λόγος**:
– 文法上、冠詞がついていないため「神そのもの」よりも「神の本質を持つもの」という解釈が優勢。—
## 🧾 全体の訳(意訳)
> 「初めにロゴス(言)があった。ロゴスは神と共にあった。そしてロゴスは神の本質を持っていた。」
—
## 📝 出典
– Nestle-Aland Novum Testamentum Graece, 28th Edition
– ヨハネによる福音書 1:1