ウクライナ情勢に関するニュース
先週から、ウクライナ情勢のニュースが耳に入る度に心が痛くなります。一刻も早く双方が休戦状態に入り外交での問題解決に動くことを願ってやみません。SNSなどでは主要メディアだけではなく、個人が撮影した現地での映像が瞬時に拡散されており、マスメディアよりも早くリアルタイムで戦況を知れるような時代になっています。
その中で、特に悪質なのが、フェイクニュースだそうです。スマホさえあれば簡単にCGで合成ができるので、戦闘機が爆撃している映像や落下傘部隊が大量に舞い降りているような映像が捏造できるようです。そういった映像に対しては映像のファクトチェックがなされ、合成の特徴の有無、撮影された場所の地理関係、複数の映像のクロスチェックなどで事実関係を確認するそうです。
こういった偽の情報で感情が動き、世論を形成することができると思うと本当に恐ろしく感じます。
情報の精度は確実に減衰する
ドラッカーの「ネクスト・ソサエティ」という書籍にこのような文章がありました。
「情報理論の第一法則によれば、あらゆる中継器が雑音を倍増しメッセージを半減させる。」
同書109ページ
誰かが何かを聞いたとしてもそれを正確に伝達するのは困難です。伝言ゲームがまさにそうで、多くの人が間に入れば入るほど、情報の精度が落ちていきます。それが、たとえ、音声情報でなく、目に見たものをそのまま映像で撮影できたとしても、すべてを伝達することは不可能です。
マスメディアやSNSによる個人による情報発信には、どうしても主観や思想などのフィルターがかかってしまうので、客観的に情報を伝達するのは非常に難しいと思います。ですので、改めて、この時世に、今、聞いている、見ている情報は、不正確かもしれないということは頭の片隅に入れておいたほうがいいと感じました。
神の言葉を取り次ぐ者
聖書に登場する預言者と言われる人たちは、未来を予言する人ではなくて、神から言葉を預かった人たちのことです。神様から聞いた言葉を混じりけのない純粋な霊の食べ物として民に伝える役割があったのです。教会用語で、「良き通り管」という言葉があります。もし管の中にゴミやカスが詰まっている場合、100という言葉が管の中に入っても、出てくるものは、減衰していおり、50くらいになっているかもしれません。ゴミやカスが邪魔をするからです。
しかし、自分を捧げた神の器である預言者は、管の中が、つるっつるで神の言葉を余すことなく通すことができるので、少しも減衰することなく、神の御心を正確に人々に語ることができます。
世に溢れている情報は中継点が増加すると精度が減衰します。神の言葉もともすればその危険性があります。各教会に所属している教会員は僕も含めて、神の言葉を取り次ぐ牧師や神父の方が通り良き管であり続けられるように祈りたいと思いました。