0218_聖書の言を自然言語APIで感情分析した結果

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感情分析API

この前、Googleが提供しているNatural Langage APIというものを触ってみました。何かというと、文章の感情分析が簡単にできるサービスです。Google Cloud Platformのアカウントがあれば誰でも無料で、自分のサービスにすでに機械学習された感情分析ツールを導入することができます。何に使えるかというと、例えばアンケートの自由記述で否定的なものだけを抽出したりできます。サービスなどでは、食べログなどのレビューコメントでネガティブなものを判定して非表示や表示順位を落とす処理を自動でしたり、あるいは、社員の日報の感情分析をして、離職する確率が高い人に対してフォローをしたりするなどの使い方が考えられます。

感情分析だけでなく、固有名詞を抽出したりするエンティティ分析や構文分析もできるので語学を勉強している人にも参考になるかもしれません。もちろん、英語だけでなく、日本語も使えます。WebサービスなどにAPIの実装をしなくても誰でも下記アドレスにアクセスして、サンプルテキストを入力すれば感情分析ができますので、一度試してみるのもいいかもしれません。

https://cloud.google.com/natural-language?hl=ja

お祈り定型文を感情分析

このサービスでは、文章にどのくらい感情に関するテキストが含まれているかなど感情の振れ幅を示すMagnitudeや感情の肯定・否定度を示すSentimentなどを計測することができます。キリスト教定番の祈りの定型文を試してみましょう。

愛する天のお父様、感謝いたします。
今日も食事を与えてくださり、感謝します。
愛するイエス様のお名前によってお祈りいたします。
アーメン

まずはエンティティ分析で、固有名詞などの抽出を確認します。「父」や「イエス様」は人として認識され、「食事」はイベントとなっており、他の単語はその他に分類されています。

次は感情分析です。感情のスコアは-1〜1で判定され、1に近ければ近いほど肯定的な感情になります。下記の場合、文章全体は0.5なので、ポジティブな文章だと言えます。「感謝します」という単語が入っているテキストはポジティブと判定されている一方で、「お祈りいたします」の一文はポジティブでもネガティブでもないと理解することができます。Magnitudeは、感情の振れ幅で肯定的でも否定的でも感情が強ければ数値が高くなります。

最後は構文分析で動詞や名詞や前置詞などの分析が行われています。

聖書の言葉を分析

イエス様が十字架に架けられている時に発された7つの言葉を入力してみました。十字架刑は生き地獄であり、その残酷さ故に、今では十字架刑そのものが廃止になっているほどです。しかも、イエス様はその刑に値することを何もしていないのにはりつけられたのです。その方が発せられた7つの言葉は下記のとおりです。

  1. 父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか分からないのです。
  2. よく言っておくが、あなたは今日私と一緒に楽園にいる。
  3. 女よ、見なさい。あなたの子です。
  4. わが神、わが神、どうして私を見捨てられたのですか。
  5. 渇く。
  6. 成し遂げられた。
  7. 父よ、私の霊を御手に委ねます。

引用元:wikipedhia


この結果を見る限りでは、イエス様は自分の十字架上での痛みや苦しみに関して感情的になっている様子はありません。ただ、自分のことではなく、敵である人間が罪を犯していることが悲しくて感情が揺り動いたのです。唯一イエス様が否定的な感情になったのは、自分を罵る群衆たちを見て放たれた言葉でした。敵である彼ら、罪を知らずに罪を犯している彼ら、そんな憐れむ価値のないような者を苦しみの中で目に留めて悲しまれました。

自分が何をしているのか分からないのです。

今日もイエス様は同じように心を痛めておっしゃっています。
イエス様のもとに帰れますように。