0219_権力やお金に制御されないようにする方法

事実は小説よりも奇なり

聖書は「聖なる書」と書きますが、登場する人物はイエス・キリスト以外に聖く正しく何の欠点もない人など一人も存在しません。総じて個性豊かで人間味に満ちていて、失敗あり、涙あり、激怒あり、恨みつらみあり、まさに人間の生き様そのものです。さらには立身出世、栄枯盛衰、親族争い、世代交代など現代を生きる僕たちにも多くの教訓を与えてくれます。事実は小説よりも奇なりで、大河ドラマにするとすごく面白いだろうなと思っています。

聖書を読んでいると、なんでこんな失敗をしてしまったんだろう?と思う記述がいっぱいあります。それは、僕自身謙虚な気持ちで読んでいないこと、または想像力の欠如によって生じる気持ちだと思います。一介の羊飼いから一国の王になりあがったダビデの人生はまさに波乱万丈、そこから生み出された詩篇は火で精錬された金のように、また珠玉の如く輝いています。

人間が変わる時

ダビデの失敗の変化点は、権力を手にした時でした。人間は権力やお金を手にした時に試されるというのはあながち間違いなさそうです。僕が小学生の頃に織田裕二主演の「お金がない」というドラマがありました。織田裕二が演じる萩原健太郎は親が残した借金と2人の弟を抱えており、家はとてつもなく貧乏。貧しさゆえの多くの辛酸をなめますが、そこから、這い上がっていき、ついには会社の重役になり、タワーマンションにも住むようになります。

しかし、その時、すでに萩原健太郎は別人になっていました。二人の弟は好きなものは何でも買ってもらえるようになりましたが、望んでいたのは貧乏な時の兄でした。結局、ドラマの結末は、もう一度、貧乏になってしまい、お金はないが3人は仲良く暮らしたというものです。

よく宝くじを当てると人生が駄目になってしまうとも言いますが、本来制御すべきお金や権力に制御されてしまうところに人間の弱さがあるのだと思います。

制御されないようにする方法

お金や権力だけでなく、恋人や趣味などに制御されないようにするためには、それらを自分の手から離すことが一番です。そして、手から離れたそれらのものは決して地に落ちて台無しになってしまうのではなく、神様の手の中に握られるのです。そして、絶対に神様が最善をなしてくださるから、安んじていられるのです。失う恐れもありません。

僕は以前大切なものを捨てる決断をしたことがあります。その時はすごくつらかったのですが、神様はそのことを通してもっと素晴らしいものを与えてくださいました。主は与えて主は取られると聖書にありますが、神様は嫌がらせで、苦しめたくて、いけずで僕たちから何かを取ろうとはされません。僕たちに最善がなされ、幸せに生きてほしいがゆえにそういったことをされるのです。

あなたがたのうちで、父であるものは、その子が魚を求めるのに、魚の代りにへびを与えるだろうか。卵を求めるのに、さそりを与えるだろうか。このように、あなたがたは悪い者であっても、自分の子供には、良い贈り物をすることを知っているとすれば、天の父はなおさら、求めて来る者に聖霊を下さらないことがあろうか」。
ルカ11:11-13