あとがき
先日「The Goal」という世界で1000万人の読者がいると言われているビジネス小説を読み始めました。企業の究極の目的は何か?というテーマに対して、工場閉鎖の危機に追い込まれた主人公が自問自答を重ねたり、恩師から助言を受けて、本題の核心に迫っていくという小説です。アメリカのテレビドラマを見ているような構成で、展開のテンポもよく、引き込まれるように読んでいました。
ただ、何を思ったのか、5分の1くらいを読み終えたあたりで、最後のあとがきを読んでしまったのです。企業の究極の目的は何か?という主人公が自問自答、試行錯誤、悩み苦しみながら、探していた核心的な答えがあっさり書いてあったのです。そして、答えがわかってしまったとたん、あれだけ熱中して読んでいたのに、残り5分の4を残したまま読む気が完全になくなってしまったのです。
過程を楽しむ
小説に限らず、プロセスなしに結果を知ってしまうと楽しみがなくなってしまいます。映画・漫画・アニメなどで、熱心なファンほどネタバレを嫌うように、きちんとした手順を経ることによって、感情移入ができて、伏線も回収できて、結果を受け入れることができるのだと思います。
例えば、サッカーの試合や野球の試合などは結果がわからないからこそ、手に汗を握って観戦を楽しむことができます。人によってそれぞれかもしれませんが、もし、結果がわかっていたら、わざわざ数時間もかけて全試合を観ないのではないかと思います。リアルタイムでのプロセスを楽しむのがゲームなのだと思います。
主と共に歩む過程
人生は時系列で、結果は最後までわかりません。結果に向かってプロセスを歩んでいます。もし、結果がわかってしまったら、今歩んでいる過程がきっとつまらなくなってしまうと思います。聖書にはこのような言葉があります。
わたしはあなたがたの年老いるまで変らず、
白髪となるまで、あなたがたを持ち運ぶ。
わたしは造ったゆえ、必ず負い、
持ち運び、かつ救う。
イザヤ46:4
先行き不透明、一寸先は闇、不安定、不確かな時代に生きていますが、神様の偉大な手に握られているのであれば、安んじてこの過程を歩むことができます。この世での最後を迎える時は、こういう結果だったのか!と神様と共に喜ぶことができるのだろうとひそかに楽しみにしています!
■なぜなら、その過程を経ることによって感情移入ができたり、伏線を回収したりできるから
■先行き不透明、一寸先は闇、不安定、不確かな時代においては、今がつらく、結果を早く知りたいと思うかもしれない
■しかし、主はその過程の中にもおられるので、主が設けられた伏線の回収は必ずなされる