ここ数週間、つらい首周辺の痛み、腰痛に悩まされています。東莞市は現在梅雨の季節なので、これらの症状は天候が影響しているのかもしれません。その症状があまりにもひどく、体が異常にだるかったので、先日、学校周辺にあるマッサージ屋へ行ってきました。
店の前にある料金表には38元(650円程)とありました。店に入って、諸々の症状を伝えて、料金を確認すると、さらに薬剤を購入するように勧められました。どうも、この店は治療前に、足を薬剤を入れたお湯に浸漬しないといけないらしいです。(足湯みたいなもの)
薬剤の料金がいちばん安いもので15元(250円程)です。しょっちゅう来るわけではないから、一番安い薬剤を購入し、治療を受けることにしました。
足湯による治療が終わると、すぐに、お兄さんがマッサージを始めました。整体師の人は、開始早々、私の背中を見て驚いた声でこう言いました。
お兄さんの話にによりますと、発疹の原因は体内に大量の湿気が溜まっているためで、その発疹を治療するためには、その湿気(老廃物)を体外へ放出してやらないといけないそうです。
しかも、そのままほうっておくと発疹が体全体に広がるため、私に早期の治療を勧めてきました。完全に営業トークです。「体内の湿気を排出する」なんて日本で聞いたこともないし、なんか胡散臭いなぁと思いながらも、言われてみれば、確かに体内に湿気(老廃物)が溜まっている気がしないでもないです。原因が何か分かりませんが、背中に発疹ができているのは事実です。
一応、どんな治療が必要なのか確認すると、すぐに料金表を持ってきて、そこに印刷されている治療様子の写真を指で示しました。その治療方法は、上半身裸の人がうつ伏せに寝ていて、その背中全体に球体の透明のビンを大量に引っ付けるというものでした。
その球体のビンは、ちょうど少し大きめの「ごはんですよ」が入っているビンとほとんど同じでした。彼の治療方法の解説によると、
- まず、球体のビンにアルコールを入れ、着火させます。
- そして、ビンの口を背中の皮膚に吸着させます。
- すると、ビン内の空気がなくなり始め、やがて真空状態になります。
そうすることで、背中の皮膚が引っ張られ、体内の湿気が体外へ放出される。というものです。
嘘っぽいけど、本当っぽいです。
この治療方法で湿気が排出されそうな気がしないでもないです。ちょっと引っ張られたいとも思ってしまいました。私は単純な人間なので、つい彼に説得されてしまい、オプション料金30元(500円程)を追加し治療を受けることにしました。
そして、また本来の治療が再開し、首周辺、肩、腕、腰、足と順番に治療が進んでいき、一通りの基本治療プランが終了しました。そして、いよいよ、お待ちかねの「ごはんですよ」のビン吸着治療が始まります。私は別室に移動させられ、上着を脱がされ、うつ伏せに寝かされました。
治療師は手馴れた手つきで手際よくビンを次々に私の体に吸着させていきます。数本吸着させたところで、急に背中に激痛が走りました。
思わず、反り返ってしまい、日本語で「アッツ」と叫んでしまいました。恐らく、いや、絶対に治療師がビンに入った着火済みのアルコールを私の背中にこぼしたと思われます。治療師は何事オなかったように謝ることもなく、こぼしたアルコールを手でサッとぬぐい、吸着作業を続けました。
治療師は吸着作業が終わると、私の背中に毛布をかぶせて、そのまま部屋を出て行ってしまいました。10分ほど、背中を引っ張られ続ける感覚が続きました。このまま空中へ浮かぶのではないかと思うくらいのものすごい吸着力でした。
たった2畳ほどの薄暗い部屋の中にいるのはわたしだけです。
さらに、自分の背中に「ごはんですよ」のビンが無数に吸着しているのを想像したら、急に気持ち悪くなってきてしまいました。湿気が体外に放出されているかどうかなんて分かりませんでした。
しばらくし、治療師が戻ってきて、ポンポンポンという音をたてながら、背中からビンを取り外してくれました。背中に違和感を感じながら、とりあえず受付のところで、83元(1,400円程)を払いました。
東洋医学では、体に現れる不具合の症状の原因を目に見えない体内にある湿気に見出し、それを排出することで治療します。キリスト教では、日常生活に現れる不具合の原因を目に見えない内側にある罪や諸々の重荷に見出し、それを排除することで治療します。
いっさいの罪と、重荷とをかなぐり捨てて、私たちの参加すべき競争を耐え忍んで走り抜こうではないか。信仰の導き手であり、その完成者であるイェスを仰ぎ見つつ、走ろうではないか。
目に見えない罪や諸々の重荷は私の体から排出され続けなければならない。日々、いっさいの罪と重荷はイェスキリストの十字架の上へ、彼を仰ぎ見つつ走り続けます。
カナンの地は今日も輝いています。