中国における風俗営業取締りの風景

「ついにここまできたか。」主山市場に住む住民が思わず、こう嘆きました。

私は学校終了後、いつも20分かけて徒歩で帰宅しています。昨晩は、ちょうど飲料水を切らしていたので、帰宅前に主山市場周辺のスーパーへ水を買いに行くことにしました。主山市場はバベルの塔から徒歩1分のところにある市場です。

市場らしく果物や野菜が売っているお店が立ち並んでいますが、スーパーやカフェもあり便利な市場です。

いつもどおり、主山市場のメインロードに足を踏み入れると、どうやら、いつもと様子が違いました。辺りには、人だかりができており、現場は異様な雰囲気に包まれていました。

迷彩服を着た人たち、警察車両と、迷彩色の大型車両、今にも人に噛みつきそうな警察犬、みたところ、総勢30名ほどの防暴警察隊が、5人一組になって行動しているようでした。

険しい顔をしたリーダー格の人が号令をかけ、一つの組が小さな旅館へ突入していきました。隣にいたおじさんに何があったのか聞いてみたが、おじさんは「わからない」と一言いったまま、ブリキ人形のように、現場を見つめていました。

結局、私は状況をつかめぬまま、スーパーへ飲料水を買いに行き、そのまま帰宅しましたが、翌朝、同僚の解説により、事態の真相が判明しました。

なんと、風俗営業の一斉摘発。

一言に風俗営業摘発と言っても、日本のそれとは少し違い、不健全な理由で宿泊しているであろう旅館や、不自然な関係をもつ男女がいるであろうと思われるマンションも対象になるようです。

たとえば、売春はもちろんのこと不倫なども取締りの対象になるようです。

以下は、同僚のマンションに貼られていたお知らせ

住民の皆様へ
現在、東莞市は賃貸マンションを対象に、徹底調査を実施しております。
公安部の調査を未然に防ぐため、男女共に居住しているお客様は必ず、結婚証明書または夫婦関係を証明する書類を準備しておいて下さい。
万が一、当マンションへ公安の調査が入り、男女関係を証明する書類を提示出来なかった場合は、不法同棲とみなされ、公安部に連行されます。
今回の徹底調査にご協力頂きますよう宜しくお願い致します。
大家:曹生
2014年2月20日

反腐敗運動の一環で実施された、かつてない大規模な一斉摘発。東莞は世界的に、「性都」として名を馳せていましたが、これからは、名実ともに汚名を返上し、「聖都」として、天の故郷に思いを寄せる人が、世界中から集まる街となるよう願ってやみません。

カナンの地は今日も輝いています。

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