移民していく中国の富裕層

また一人、中国人の友人を失いました。
私から交友関係を絶ったわけでもなく、また、彼女からその申し出があったわけでもありません。また、決してお互いの間にわだかまりがあったわけでもなく、お互いの関係に不満があったわけでもありません。一緒に食事をしたり、一緒に観光に行ったりもしました。

彼女に勧められて嫌々食べた、コラーゲンたっぷりの鶏の脚の味が、今になってはいい思い出として思い出されます。鶏の脚をむしゃぶり食べていたあの様子も。

私の家族のために、わざわざお土産として買ってくれたソーセージは、家族の中国食品に対する信頼が低すぎたため、開封する間もなく捨てられてしまった。今さらながら、食べておけばよかったと後悔の念に駆られる。

広東省のソーセージは、サラミのようなもので、腊肠[la4 chang2]といいます。いろんな料理に使われていて、結構脂っこいです。

時は戻らない。
彼女は行ってしまう。

彼女は2ヶ月後、アメリカ国籍を取得し、アメリカ人になります。そう、わたしは“中国人”の友人を失いました。

日本国内でも、中国人の官僚、投資家の移民ブームは大きなニュースになっている。私の知り合いでも戦略的出産をしている人が数名います。冒頭にあげた友人もその一人です。

つまり、外国で出産し、外国国籍の子供を持ち、いずれは自分も外国国籍を入手するというものです。彼女は中国国籍(広東省)ですが、アメリカで息子さんを出産し、その後、香港で育児をしました。そして、息子さんは成人後、グアムへ行き、そこで就業しました。そして、昨日、彼女から、いよいよアメリカへ移民するという連絡をもらいました。

私は自分の国籍を捨てて、他国籍になることなど、とても考えられませんが、中国ではごく当たり前の選択肢として考えられているようです。実に多くの中国人が、現在、または将来の中国に対して、不安と危機感を抱いています。

秩序のない道路、
モラル、道徳心の欠如、
拝金主義、
官僚の汚職腐敗。

彼女の旦那さんは、中国人でありながら、中国、特に大陸を嫌悪しているようでした。
以前、彼が言い放った言葉が忘れられません。

ある日、彼と一緒にレストランで食事をしていた時、全席禁煙であるにもかかわらず、隣に座っていた中国人4人組みが、堂々と喫煙を始めました。レストラン側も、見て見ぬふりのことなかれ主義で、何の注意もしません。

彼はあきれ果てた顔をして、「これだから中国人は嫌なんだ。」と言って、冷めた揚げマントウを乱暴につかみ、口の中に放り込みました。

彼は中国人です。

いや、彼は中国人ではなくなります。2ヶ月後、彼もアメリカ人になります。アメリカ国籍を取得することで、彼達が幸せになるのであれば、それはいいことだと思います。

「しかし、私たちの国籍は天にある。」

私自身、数年前に、この地上の国籍を捨てる決心をしました。頼りない葦のように、風にゆらゆら揺らされながらも、今でも一心に天を見つめています。

カナンの地は今日も輝いています。

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