自分はできている
AI利用に関して「人は安きに流れる」という原則のもと、僕はAIを使いたいという欲望に勝つことはできないと書きました。それは降参でもありますが、降参することによって自分がそれに対して何をすべきかが明確になります。
降参しないことの弊害の一つに「自分はできている」というものがあります。たとえば、自分はAIを上手く治められていると思い込んでいるだけで実はAIに治められているという状態があり得るからです。
それは非常に厄介です。なぜなら、AIによって思考をコントロールされているのに、それが自分の思考だと思ってしまうからです。自由意志を働かせているつもりが実はAIの思考に置き換わっているのです。こうなったら、誰もその人を説得できません。
民主主義の転換点
なぜこんなことを書くかというと、今は民主主義の転換点だと思っているからです。昔とは違い今はSNSによって世論を大きく動かすことができます。そして、SNS上では必ずAIによって世論形成がなされています。この状況は人間が理性ではなく感情で動く以上、決定的な危機だと思っています。
もちろん、SNSが世に出てから10年以上経過しており、以前からこの傾向はありました。しかし、今は加速度的になっていると思います。感情を揺さぶるようなフェイクニュース、高度に生成されたフェイク動画、人海戦術を使わずともシステムさえ作ることができれば一瞬にして拡散するアルゴリズムを巧みに利用して人の感情に訴えかけ、人を動かすことが出来る時代なのです。
誰かにコントロールされるとか
今週は参院選がありますが、僕はSNSで政治的な投稿は一切見ないようにしています。X(旧Twitter)やYoutubeを含めて誰の投稿も見ません。意思決定には、その政党のWebサイトでマニフェストを見るか、投函されている各政党のマニフェストを見て決めます。
そうでないと、自分がコントロールされてしまいます。誰かにコントロールされるとか、洗脳されるとか書くとディストピアのようなことに思えますが、実際それらが身近であり、いつでもそうなる可能性があると思っています。
素直に負けを認める
だからこそ、今一度人は「人は安きに流れる」という原則を思い出して、素直に負けを認めるべきだと思っています
。