バーチャル空間
先日、facebook社が社名をMetaに変更したようなのですが、それ以来、いたるところで、メタバースという言葉を聞きます。メタバースという言葉はSF小説の「スノウ・クラッシュ」に出てくる言葉だそうですが、言葉の指す意味としては、バーチャル空間(仮想空間)で間違いなさそうです。
現在多くの人が朝起きてからスマホを触ってニュースやLINEなどをチェックするように、ヘッドセットやグラスなどを日常的に装着するのが当たり前になり、仮想空間での活動が今後盛んになるというので、注目されているようです。仮想空間で誰かと映画を見に行ったりゲームをするだけでなく、仕事もできるので、日常との切れ目がなくなるというのが大きなポイントなのかもしれません。
さらにブロックチェーンの技術を使って代替付加なトークンを発行し、デジタルコンテンツの唯一無二性を保証するNFTなども仮想空間と親和性が高く、こちらもいたるところでNFTという言葉を聞くようになりました。
バーチャル空間で過ごす意味
個人的にはわざわざヘッドセットなり、グラスを付けて日常的に仮想空間に入って誰かと映画を観たりすることに全く魅力を感じません。どれだけ素晴らしいグラフィックがオープンワールドでスクリーン上に再現されていても、人間の眼球を通して心や脳や魂で見るこの現実世界(自然だけでなく、人工物も含む)にはかなわない思います。風を感じる感覚や対象の質感、さらには空気感やにおいまでは再現できません。
もっとも、現実世界では味わえない空間、例えば、宇宙や近未来の世界、あるいは核戦争後の荒廃した世界やゾンビの世界に入りたければそういった空間もいいかもしれません。しかし、それであるならば、現在映画やゲームを観る感覚と何も変わらないと思います。数時間別の世界に行って帰ってくる。それは書籍であれ、ゲームであれ、ずっと以前からあったスタイルだと思います。
フィジカルの感覚
先週の土曜日からランニングを続けていますが、フィジカルの感覚は非常に大切だと改めて気づかされています。例えば、今日は調子が悪いとかいいとか、運動してみないとわからないこともあります。あるいは、体に負荷をかけ続ける感覚だとか、身体的感覚に意識を集中するだとか、久しぶりの感覚で非常に興奮するのです。
日常的に多くの人がスマホやPC画面に向かって生活をしているのに、そこからさらに、日常的にバーチャルの空間に入り込んでリラックスするとは、この与えられている世界での時間を台無しにしてしまっている気しかしないのは、時代遅れのおじさんだけでしょうか。