0076_気持ちのこもっていない翻訳になってしまう原因

現在、Webサービスで様々な翻訳ツールがあります。以前はトンチンカンな翻訳をしていたサービスも翻訳精度は年々上がっていて、翻訳者もゼロから翻訳するのではなくて、まずは、ツールで翻訳して、原語と比較しながら、修正を加えたほうが早く訳せるようになりました。最近では機械学習で違和感のないレベルの翻訳精度のDEEPLという無料のソフトウェアもあります。このツールは本当に驚異的です。

通訳においても、端末に吹き込むだけで、その意味が多言語表示されるサービスもあります。これまで、翻訳者や通訳者が異なる言語の話者同士をつなぐ役割を果たしていましたが、その役割がなくなることは決してありませんが、場面は減少していくのは間違いなさそうです。

おおよそ、どのようなWebサービスでも必ず、Q&A(Question and Answer)というものがあります。お客様がサービスを享受する中で、なにかわからないことや問題が発生した時は、まずWebサイトに記載されているQ&Aを参考にしながら、解決にあたります。

もし、WebサイトのQ&Aで解決できなかった場合は、お客様はカスタマーサポートにメッセージを送信します。カスターマーサポートの方は想定問答集のFAQ(frequently asked questions)を参考にしつつ、お客様に返信をします。

以前、このメッセージ用のFAQ(frequently asked questions)の翻訳を対応していた時に、数百近くある翻訳文を目の前にして、やっつけ仕事で翻訳に当たろうとしていました。翻訳後の文章を確認のため読んでみると、明らかに「気持ち」がこもってないのです。

意味は通じますし、問題解決の提案も記載されています。しかし、困っているお客様の不安を和らげたりする配慮、サービスを使って頂いている感謝などが文章にこもっていないのです。

翻訳者から観た場合、数百近くのF&Aですが、お客様にとっては、返ってくるメッセージは1つの回答だけです。そのAnswerを受け取って、安心したり、問題が解決できたり、さらに、もっとこのサービスを使いたいと思うような気持ちになっていただくのが良い回答です。

わたしにとっては、1:Nですが、お客様にとっては、1:1のコミュニケーションです。それに気づいてから、1:1のコミュニケーションを意識しながら翻訳するように心がけています。

イエス・キリストはこの地上で肉体を持っておられた時は、1:Nでしか、コミュニケーションができませんでした。2000年ほど前の小さな国にいる一部の人にしか影響は与えられませんでした。しかし、今は十字架にかかり復活され、助け主を遣わすと約束してくださっています。それによって、時間や空間を超えて、私達と1:1のコミュニケーションができるようになりました。

しかし、わたしはほんとうのことをあなたがたに言うが、わたしが去って行くことは、あなたがたの益になるのだ。わたしが去って行かなければ、あなたがたのところに助け主はこないであろう。もし行けば、それをあなたがたにつかわそう。
ヨハネ16:7(口語訳)

イエス・キリストの十字架によって、神との関係が回復し、今は助け主が共にいてくださいます。