中国の家の教会で音楽セミナー講師が中国人を叱咤激励!

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セミナー主催者は?

清明節の連休(4月5、6、7日)は、教会で音楽セミナーがもたれました。講師は昨年同様、浙江省温州市にある大きな団体から二人の講師が教会に来てくださり、賛美について三日間講義してくださいました。

中国語では教団のことを団体[tuan2 ti3]と言う。

三日間にわたって、音楽を構成する基本的な要素など知識方面、音楽の知識を身に付けるための具体的な訓練方法、賛美の司会をするにあたっての選曲方法、導き方などを、教えてくださいました。

浙江省温州市は中国の家の教会のメッカ

ちなみに、浙江省温州市は中国でも、クリスチャンが特に多い地域であると言われています。あるデータによると、市の人口は、749万人。そして、各教会の人口は以下のとおりです。

  • 三自愛教会の人口は、25万人
  • 家の教会の人口は、90万人

三自愛教会と家の教会の総数を足すと、同市の全人口の14パーセントがクリスチャンということになります。もともと、中国のキリスト教会には、「三个半省」と言う言い方があります。「三个省」は三つの省で、安徽省、河南省、山東省を指します。残りの「半省が」浙江省の温州市だけを指しています。

これは、1950年から三自愛国運動が始まってからも、家の教会の活動を地下で続け、勢力を拡大し、特にクリスチャンが多い地区を指して「三个半省」と言うそうです。中国にも日本同様、様々な教団があり、全国的な超省的で大規模なものから、ある地域だけにある小規模なものまであります。温州市には特に超省的な教団が多く、北京、上海、広州など大都市にある教会とつながりを持っているそうです。特に、同市の教会は賛美に対する理解や、その技術が他省の教会より大変優れており、教団として、作詞作曲、訓練、セミナーなどを各地で実施されているようです。

セミナーで学んだこと

セミナーの中で講師の人は多くのことを語ってくださったのですが、特に印象に残っていることだけをみっつ書きます。

①講師の先生が中国人を叱咤

まず、中国は賛美どころか音楽の業界において、なんら突出したところを持っていないことを真正面から指摘しました。中国の流行歌もほとんどが台湾、香港の歌で、アジアにおいては、日本がトップ、あとに台湾、韓国が続くが、中国は比較できないほどひどいと言っていました。本当に賛美で国際舞台に上がりたいと思うのであれば、意識を変えて、毎日訓練する所から始めなければならないと叱っていました。

その差異を体験させるために、同じ賛美の曲で、欧州の教会が賛美したものと、中国の教会が賛美したものを、動画で提示し、比較させ、中国の賛美が如何にひどいかを体で感じさせていました。ここでいう「ひどい」という表現は、霊的なものは無視して、技術的なものだけを指しています。(もちろん、霊的なものと技術は切り離せない関係にあるのも事実です)

そして、今後の具体的対策としては、馬鹿らしく思えるほど簡単な基本練習をずっと続けること。そして、スキマ時間を有効活用して、リズムマシーンのアプリを携帯にダウンロードし、正確にリズムを刻む練習をしろと言っていました。一般信徒にここまで具体的な訓練方法を指示するセミナーは初めてでした。

②中国人伝道師に対する叱責

賛美セミナーですが、話があちこちに飛んで、賛美に関係のないことも話してくれました。まず、中国の伝道師は全体的に教養がなさ過ぎるということ。ちょっと3ヶ月神学をしただけで伝道師になって、講壇の上から間違ったことを言う人が多いと言っていました。12弟子のペテロやヨハネは漁師出身であったが、決して教養や聖書の知識がなかったわけではないと言っていました。ユダヤ民族は3歳から5歳の間に、モーセ五書を徹底的に精読させるそうです。箴言は丸暗記。

だから、ペテロがペンテコステの時に、すぐに、ヨエルの書の御言を引用し、説教したことは、彼が聖書に精通し、多くの聖書の言を体内に埋め込んでいたことの証拠だと言っていました。また、ユダヤ民族では、聖書を子供に初めて読ませる時は、聖書を開き、聖書に蜂蜜を垂らし、それを子供に舐めさせ、神の言葉が甘いということを体で分からせるそうです。

一方、中国においても、文革期は聖書の数が圧倒的に足りていなかったため、多くの中国人クリスチャンは、マタイによる福音書を丸々暗記していたそうです。それにより、たとえ投獄され、手元に聖書がなかったとしても、信仰が弱ることなく、神に従い続けることができたと言われています。それに比べて、今の中国人伝道師はどうなっているんだということでした。

③賛美の発展

賛美は音楽のジャンルと共に発展してきたが、その中で、特に伝統のある教会内で、「上の世代が下の世代を迫害し続けてきた」ということを言っていました。彼いわく、ロックというジャンルは、もともとクリスチャンが始めたそうで、当時の社会現象に反抗するための表現だったそうです。

セミナー講師
へヴィメタルは伝統に対する反抗。ブラックデスメタルはキリストに対する反抗。クラシック、ジャズ、ロック、クラブミュージックどんな音楽で賛美をしてもいい。かといって、そのジャンルじゃないと絶対だめかというとそうでもない。
といっていました。

教会における音楽ジャンルの難しさ

香港のある賛美チームの中に、「哈利路亚!赶出教会」という名のバンドがあります。このバンドは自身が属する教会の主任牧師に、自分たちがロックで作った賛美を聞いてもらいましたが、その主任牧師は、彼らの賛美を聞いた後で、「ハレルヤ!この教会から出て行け!」と言ったそうです。そして、彼らは教会から出ていかなければならなくなり、この主任牧師のせりふをバンド名にしたそうです。

上の世代が、下の世代をいじめる。次は、そのいじめられた世代が、また下の世代をいじめる。そして、そのいじめられた世代が、また下の世代をいじめる。キリスト教会の賛美はこの繰り返しだったから、反省しないといけないといっていました。

人間は必ず間違いを犯す。牧師であれ、伝道師であれ、福音派であれ、ペンテコステ派であれ、人間がいうことに絶対はない。
神と聖書だけが絶対。

ついつい、
独りよがり、自分勝手、
ひどい思い込みに陥る人間。

互いにしのび合い、赦し合いなさい。

カナンの地は今日も輝いています。