1142_僕は駅のホームに溢れかえっている人を誰一人知らない

仕事終わりに

仕事帰り電車からホームに降りた時にこんなことを思いました。

「目の前にはこんなに多くの人がいるにもかかわらず、僕はこの中にいる人を誰一人知らない。」

人は目と鼻の先にいるにもかかわらず、その人たちは赤の他人であり何の接点もなくただの風景の一部として処理されているのです。一人ひとりに家族がいたり、ユニークな性格があり、今日一日様々なことを感じて過ごしたと思うのですが、僕はその人のことを何も知らないのです。

何も知らない

そう思った時に、本当に自分は何も知らないと思いました。世界中には何十億という人がいるにもかかわらず、僕が知っているのはせいぜい数百人くらいです。その中で積極的にかかわりを持っている人はきっと50人もいないでしょう。

今回のことを通して、今までも自分には知らないことが多いと思っていましたが、それ以上に自分はほとんど何も知っていないと思うようになりました。でも人間は物事を簡単に捉えて無理して理解しようとする傾向があります。それは未知なものが怖いからです。知っていると思い込むほうが精神衛生上いいのです。

また人間はグレーも嫌います。自分の外側のことに関しては白黒はっきりつけたがるのです。そのほうがわかりやすいからです。グルーピングしたり、レッテルを貼ったりしてまとめてあの人たちはこうだと決めるのは思考上ストレスがなく楽なのです。

過去で現在を見ているだけ

経済や金融に関しても同じです。例えば日銀が国債を買えば金利は下がりますが、なぜそうなるのかは誰にもわからないそうです。これは「MEGATHREATS 世界経済を破滅させる10の巨大な脅威」という本に記載されていました。ある箱に対してインプットをしたら、決まったアウトプットが出る。それは確かにそうであるが、その箱の中身は意外にもブラックボックスなのです。

これまで金利が上がれば、金利がつかないゴールドなどの価格は下がるといわれていましたが、今はそうではありません。これまで、ドルと金には逆相関があり、ドルが上がればゴールドの価格は下がるといわれていましたが、今はドル高ゴールド高です。これはつまり、過去で現在のことを知っているつもりになっているだけなのです。

例えば、今はドル高円安です。これはドルを基軸通貨としてドルに対して円が安い状態です。しかし、今後、ドル安ドル安になる可能性もあるかもしれません。それはロシア、中国、北朝鮮などの権威主義国家や中立を固めるグローバルサウスの国などと相対的に通貨の価値が決まることが起こるかもしれないからです。

偉大な真理

そんな何もわからない不透明、不確実、不安な時代にあっても偉大な真理があります。それは、「すべてを知っている方を知っている」ということです。

駅のホームにいる人たちのことは知りませんが、その人たちを知っている方は知っているので祈ることができるのです。また将来に対してもすべてを知っている方にゆだねることができるから安心安全なのです。仕事を終えて帰宅途中にそんなことを思いました。

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