サカナクションの山口一郎さん
今日はNHKスペシャルでサカナクションのギターボーカルである山口一郎さんの特集を観ました。山口さんは数年前よりうつ病を患いしばらくバンド活動を休止されていたのですが、今年より再び5人でのバンド活動を再開されています。
番組内では山口さんがうつ病と診断された時の状況やうつの症状で身体的にも精神的にも追い込まれる実態が語られており、うつ病がどのように人を苦しめて追いこんでいくのかが深刻なほど伝わってきました。
誰でもうつ病になり得る
「うつ病」という言葉は珍しい言葉ではなく日常的にもよく聞きます。日本においては15人に1人がうつ病だそうで、実際に身近な人の中にうつ病の人がいたりするものです。僕は番組を見るまで、非常に無知でうつ病とは薬飲んだらどうにかなるのだろうとさえ思っていました。
しかし、山口さんが言っていたこのような言葉が非常に印象的でした。
「誰でもうつ病というものは持っており、それが決壊した時に症状が発生する。」
つまり、自分は大丈夫だと思っている人であっても、いつでもうつ病になる可能性があるということです。それは環境の変化かもしれないし、燃え尽き症候群を原因とするものかもしれません。過去の傷が原因になるものかもしれません。僕はとても他人事には思えませんでした。たとえ今は大丈夫であったとしても僕もうつ病になる可能性があると思いました。
精神的に病んだ時期
実際、僕自身は北京に留学していた時にうつのような症状になったことがあります。当時の教会生活では自分のキャパを考えずに人に喜んでもらいたくてなんでも奉仕を受けていました。また自分を偽り、聖霊の働きによるものであるにもかかわらず、自分の手柄だと思ってすべてにおいて高慢になっていた時期でした。
そんな心なので、神様との親密な交わりも失い、心と魂はとっくに燃え尽きてカラッカラになってしまっていました。身体的には毎朝3時半起床の新聞配達のアルバイトで限界にきていたと思います。
人の存在が大きかった
本当はケアが必要な時期であったにもかかわらず、そんな状態で北京に留学したものだから、一気にずーんと落ち込んでしまいました。授業も行かなかったり、何日も何も食べずに寝ていたり、人に会うのが怖かったり、ここのビルから落ちた楽になるのかなとさえ思ったこともありました。とにかくしんどいから存在するのが面倒になるような感覚でした。
しかし、そんな状況の中で中国で生活していくことができたのは留学先で出会った友達がいたからだと思います。「ごはんを食べに行こう」とか「夜散歩に行こう」とか時には「それは違うよ」と言ってくれる人がそばにいたからだと思いました。
決壊する前に
誰でもうつ病になる可能性はあります。もし、今そうじゃないならただたんに環境や人に恵まれていて守られているだけかもしれません。また、山口さんが言っているように自覚症状がなくても、何かが蓄積されていていつか決壊してしまうかもしれないのです。
それは小さな嘘かもしれないし、自分か誰かに対する偽りかもしれません。
今回番組を見て、自分自身ももし、それがわかるならそれを早い段階で除去するなり、解決しないといけないと強く思わされました。