中国の教会堂の数については、2010年に政府系シンクタンクの中国社会科学院から統計が出ている。
「中国宗教報告2010」によると、中国全国(内陸)には礼拝堂と集会所が5万5000ヵ所あり、その内訳は、それぞれ、以下のとおりである。
礼拝堂2万4000ヵ所
集会所3万1000ヵ所
しかし、多くの専門家の間では、この数字はかなり控えめであるというのが共通認識である。
華東師範大学宗教文化研究中心の李向平主任は、この数字が実態よりかなり控えめであることを、以下のような算出方法で証明している。
まず、「中国宗教報告書2010」の統計によると、
中国の全国の基督教徒数は、たった2305万人。
そして、大陸の各教会堂の収容可能人数は、
一般的には100~200人程度で、
中規模の礼拝堂になると、400~500人程度、
数千人収容可能な大規模は教会堂は、存在することは存在するが主流ではなく、ほとんどないのが現状である。
この現状をベースにして、
各集会場所の収容人数規模を、
礼拝堂(400人収容可能)
集会所(100人収容可能)
で、中国のキリスト教徒の数を計算した場合、
礼拝堂2万4000ヵ所×400人=960万人
集会所3万1000ヵ所×100人=310万人
総計1270万人となる。
教会堂数5万5000ヵ所だけでは、約1300万人しか収容できないことになる。
報告書の発表によると、キリスト教徒の人数は2305万人。
つまり、教会堂の数が5万5000ヵ所と仮定した場合、約1000万人のキリスト教徒は集会場所がないということになる。この単純な計算方法からでも、報告書の数字に信憑性がないことがすぐにわかる。
また、中国社会科学院世界宗教研究所がキリスト教徒に対して実施した、「中国基督教入信アンケート調査報告」の中には、以下のような質問項目がある。
「どこで集会を持っていますか」との質問に対しては、以下の結果となっている。
政府公認の教会堂で集会(67.9%)
政府非公認の教会堂で集会(20.2%)
友人の家で集会(26.7%)
十分の家で集会(22.4%)
※選択項目は複数回答可のため100%を超過している
統計を参考にする際、最も注意しなければならないのは、報告書の教会堂数5万5000という数字の中には、上記の67.9%の政府公認の教会堂の数しか含まれていないということである。
未登録の教会堂に集う信者は、その数の3~4倍とも言われている。
このように計算すると、未登録の教会堂は、さらに1万6000ヵ所はあるといわれており、
ゆえに、李向平はかなり低く算出したとしても、現在、中国には、7万~8万の教会堂があるであろうと算出している。
もちろん、この数字には、友人の家や自宅で集会をもっている人の数は含まれていない。
内地基督教堂数量调查;宗教供给稀缺现状暂难改观
2010年10月19日凤凰周刊29期李光
参考資料