0231_後輩に「やってみなはれ」となかなか言えない

おっさん化進行

最近自分が陳腐化・劣化していることを痛感していてしんどいです。僕の中で一番嫌いな「うざいおっさん」になりつつあるのです。というより、もうなっているのかもしれません。先日会社のチーム内の20代前半の男性が新規事業の提案をしました。ざっくりまとめると、ツールを使ってAmazonの売れ筋商品を調べて、それを中国のECサイトから輸入して販売するというものでした。いわゆる、越境ECと呼ばれているものです。

彼は売れ筋検索のツールやこのビジネスモデルを紹介しているYoutube動画を画面共有してれたり一生懸命説明してくれました。このビジネスの利点は、アマゾンのFBAのサービスを使って倉庫を構えずにに商売ができる。そして、僕たちチームの中国での強みを生かせる。といのことでした。

越境ECについて

僕はツールの話を聞いた瞬間に否定的な意見が心に出てきてしまいました。このビジネスは参入者が多くて既にレッドオーシャンで薄利多売モデルです。倉庫は抱える必要はありませんが、在庫は抱える必要があり、Amazonに在庫量の体積に応じてランニングコストを払い続けなければなりません。

中国人の知り合い数人も同じビジネスをしていて、一時期個人的に協力をしていた時期がありますが、全くうまくいきませんでした。翻訳やレビューを書いたり、日本の僕の電話番号を提供したりできることはしましたが、非常に厳しかったです。

というのも、みんなやることは同じでツールを使って分析をしてもその時の売れ筋と数日後、数か月後の売れ筋はかなり変わります。その間に輸入して、ページの画像を作成したりしていると完全に乗り遅れてしまうのです。在庫リスクをかかえるのがおちです。本当に売れ筋を分析するなら、調査は片手間では絶対にできません。将来公開される映画やガジェットの発表など数か月後を見越してリスクをとって既に輸入を始めないと全く間に合いません。

さらに今は円安なので、越境ECの場合輸入コストが高くなります。為替の影響も受けるだけでなくコロナ禍でコンテナ船の運賃が高騰したりと何かと変数が多いのでリスクが高くなります。

やってみなはれ

じゃあ、無理だと突っぱねるのが正しいのでしょうか。実際わずかですがかなり儲けている人もいます。上位数パーセントに入る確率があるならやったほうがいいと思いますが、やってみないとわかりません。しかし、リスクがあるからこそ、やってみるのに躊躇してしまうのです。

サントリーの創業者である鳥井信治郎は「やってみなはれ」が口癖だったそうです。山本五十六は「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。 話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。 やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」と言っていたそうです。

僕は経験や知識から、無理だときめつけてしまいましたが、じゃあ、僕が知識のない分野ではどうでしょうか。同じように飛びついているのだと思います。その分野で自分の知識があるとマウント取りたくなるのは、おっさん化が著しく進行している証です。

この聖書の言葉が身に沁みます。

何事も党派心や虚栄からするのでなく、へりくだった心をもって互に人を自分よりすぐれた者としなさい。
ピリピ 2:3

兄弟の愛をもって互にいつくしみ、進んで互に尊敬し合いなさい。
ローマ12:10