1580_今日意思決定する人たちが将来苦い果実を食べないといけない日が来ている

人が安きに流れるというのは確実

昨日は、現代がAIという技術によって人が簡単にコントロールされてしまう時代にあると書きました。そして、それに抗うためには、まず「人は安きに流れる」という原則に立ち返って、自分は簡単にAIに騙されてしまう存在であることを認めて降参するべきだと書きました。

人が安きに流れるというのは確実です。たとえば、今の参院選でテーマになっていることは何でしょうか。それは、物価高であり、インフレです。それに対する対応は減税、現金給付、補助金給付などです。

紙幣の購買力が落ちる

経済政策に関しては、自国建て通貨での借金は問題ないという立場を取るMMT理論者がいますが、これまでの歴史を見るとインフレに対して緩和的な措置を取れば、インフレを加速させるということは火を見るよりも明らかです。

インフレとは物の価格が上がるのではなくて紙幣の購買力が落ちることです。つまり、緩和的措置をとり大量に国債を発行してそれを日銀が買い取り、市場にお金を放出すれば、より紙幣の購買力が落ちることに繋がります。

自分たちだ今良ければいい

しかし、人は安きに流れます。政治家は票田ほしさに、民衆は目先の利益ほしさに意思決定してしまうのです。「現金給付いいな」、「手取りが増えたらいいな」と思うのは自由です。しかし、今ほしいものを手に入れることによって、将来に大きな苦い果実を食べないといけない可能性も考えるべきだと思います。

これが最も顕著に現れているのが環境破壊に関してです。誰もわざわざ口に出して言うことはありませんが、多くの場合、未来のことなど関係ない。自分たちだ今良ければいいのだと思っているものです。

普通は、苦あれば楽あり

これまではそう思って生きてきた人が大きな苦い果実を食べることはなかったかもしれません。しかし、今は文明の進歩がかつてないほどに超加速度的になっています。それはつまり現代においては、今日意思決定する人たちが将来苦い果実を食べないといけない日が来ているのではないかと思っています。

悲観的と思われるかもしれませんが、良い状態がずっと続く方が異常です。普通は、苦あれば楽あり、悲しみあれば喜びありとそれぞれに振れ切りながら均衡を保っていくものだと思っています。

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