問題に向き合いたくない時
何か問題にぶち当たった時、うまく行かないと感じた時、誰でも逃げたいと思う時があると思います。そういった問題は、時には四六時中頭から離れず、道が開けないと思えることもあります。たとえ、逃げるとまではいかなくても、例えば、一時的に問題から離れて、気分転換に旅行に行ったり、友人との食事を楽しんだり、一人の時間を過ごしたり、休息することは非常に重要だと思います。そして、また、その問題に向き合って乗り越えようとするのです。
問題から逃げる
旧約聖書に出てくる人物の預言者エリヤはまさにそのような状況に置かれていました。異邦人の神を信仰する宗教的指導者たちとの戦いに勝利したのち、命を狙われていることがわかると逃げたのです。彼は偉大な預言者の一人であり、新約聖書でも、イエス・キリストがモーセ、エリヤと3人で語り合う場面もあります。そんな偉大な信仰者が勝利したのちに、逃げたのです。
彼の逃亡は非常に徹底しています。彼はまずべエルシェバというところまで逃げました。そこは居た場所からおよそ300kmほど離れたところであったそうです。さらに彼は従者をそこに置いて、自分だけ荒野に逃れようとします。およそ1日の道のりだったようです。実はこのべエルシェバはイスラエルの神殿があった場所から近かったのです。しかし、彼がここに立ち寄ったと言うような記述はありません。
主の取り扱いを受ける
そののち、神の取り扱いがはじまります。御使いを通して神が語られます。
1回目:「起きて食べなさい。」
2回目:「起きて食べなさい。旅の道のりはまだ長いのだから。」
そして、彼は食べて元気づけられて四十日四十夜歩き、ホレブの山に到着します。ホレブの山とはモーセが十戒を授かったシナイ山のことです。洞穴の中にいる彼に、主が直接語られます。
1回目:「エリヤよ、ここで何をしているのか。」
2回目:「外に出て、山の上で酒の前に立て。」
3回目:「エリヤよ、ここで何をしているのですか。」
そして、彼は神との直接の交わりを通して、これからすべきことを命じられ、再び立ち上がり、主のための働きを再開します。
主のところに行く
僕は、問題が起きた時、基本的に人に相談することはなく、一人で考え込んでしまいます。そして、問題のことばかり考えてなんとか打開策を考えようとします。しかし、エリヤが最終的にしたことは、逃げた元の場所に帰ることではなく、主のところに立ち返ることでした。そこで彼は引き上げられ、励まされ、開放され、力を与えられ、再び立ち上がることができたのです。
今、何か問題があるなら、そのことは考えずに、まず主のところに飛び込むのがキリスト者としての正しい生き方です。旅の道のりはまだ長いからです。
悩みの日にわたしを呼べ、わたしはあなたを助け、
あなたはわたしをあがめるであろう。
詩篇50:15