小島秀夫氏のインタビュー
先日日経にゲームデザイナーの小島秀夫氏の記事がありすごく共感しました。小島氏は大手ゲーム会社で多くの大型IPを創出し、さらに近年はコジマプロダクションという会社を自身で立ち上げていました。独立後「デス・ストランディング」というゲームが世界的にヒットし、常にゲームの第一線で活躍しておられる方です。詳細は下記に記載されています。
移動について
記事の中で「ポスト・コロナの世界になってどのように感じていますか?」という質問に対し小島氏は「違和感を覚えています。」と回答する中で、このような一節がありました。
人間には移動が必要です。点から点に飛ぶのではなく、点から点に向かう間こそが重要です。
これは真理をついていると思います。確かにポスト・コロナの世界では会社に行かなくてもPCを開けば仕事ができるし、お客さんのところに行かなくてもWeb会議ができます。誰かに会うためにはZOOMやLINEビデオ通話などを使えば「移動」が不要になっています。
しかし、もしかしたら、多くの人がすでにうすうす気づき初めており、同じような違和感を覚えているのではないかと思いました。僕自身もその一人です。
初期の頃
僕自身は最初「移動」のない世界を歓迎しました。上記のように今まで大きな移動を伴い時間を使っていたことが楽にできるようになったからです。技術的にできるようようなっただけでなく、社会がそれを受け入れ実現できたのは画期的なことでした。
しかし、1年ほど経ってみるとストレスを感じるようになりました。仕事ではZOOMなどでWeb会議をしたとしても、友人とビデオ通話をしたいとは思わなくなってしまったのです。それよりも、むしろ、対面で会いたいという願望が日に日に強くなってきました。
現在
幸いなことに、今年は多くの人と対面で会うことができた一年でした。誰かの結婚式で久しぶりに再開した人も大勢いましたし、会いに来てもらったり、会いに行くことも多かったです。そして、そのいずれもが強烈な記憶として脳に刻みこまれているのです。
それはビデオ通話ではありえない体験でした。ビデオ通話を何回もしていると「あれはいつの話だっただろう?」と思うことがあります。しかし、対面で会うと、全く違った体験になります。小島氏がおっしゃっているように「人間には移動が必要で、点から点に向かう間こそが重要」なのです。
人生の豊かさのために
移動に時間を使うのは効率的じゃないかもしれません。しかし、人生を豊かにしてくれるものに対しては、それが移動であったとしても、積極的に時間を使っていくべきです。往々にして人生の豊かさは効率的なところにはないからです。