アニメやゲームなどをローカライズする時には、現地語への翻訳が必要になりますが、その中で欠かせないものが「グロッサリー」です。グロッサリーとは、翻訳者共通の用語集のことです。
例えば、Davidという英語の名前を日本語にする時に、「デイビッド」「デビッド」「ダビデ」などの訳し方があります。もし、グロッサーにDavidの対訳がデイビッドとなっていれば、翻訳者は必ずデイビッドと翻訳をします。こうすることによって、翻訳者よるばらつきがなくなり、全体で統一された一貫性のある翻訳を複数人で進めることができるようになります。
翻訳者はグロッサリーがあることで安心できます。そこに記載されている単語さえ使えば基本的には問題がないという安心感を得ることができるからです。原語に忠実に訳すか、文脈を考慮するかなどの調整は入りますが、基本的には、グロッサーに従えば、パズルのようにカチッとはまるようになります。
世界中で最も読まれている一般的な聖書は旧約・新約合計で、88巻あります。旧約の創世記から新約のヨハネの黙示録まで、時代も職業も異なる人たちが記載した書物です。それにも関わらず、聖書のメッセージは一貫性が保たれていると言われています。
聖書は、すべて神の霊感を受けて書かれたものであって、人を教え、戒め、正しくし、義に導くのに有益である。
テモテⅡ3:16(口語訳)
各巻の著者は違いますが、神の霊感を受けて書かれたため、神の意思が反映されており、一貫性が保たれているのです。ちょうど、翻訳者がグロッサリーなしでは一貫性が保てないように、聖書の著者は神の霊感なしでは記述ができませんでした。
聖書の一貫性とは、イエス・キリストのことです。ある人は、「聖書はどこを切っても血が流れる。」と表現しました。つまり、キリストが来られる前の旧約聖書はイエス・キリストについて書かれたものであり、キリストの青写真として、記載されていると言われています。
この救については、あなたがたに対する恵みのことを預言した預言者たちも、たずね求め、かつ、つぶさに調べた。彼らは、自分たちのうちにいますキリストの霊が、キリストの苦難とそれに続く栄光とを、あらかじめあかしした時、それは、いつの時、どんな場合をさしたのかを、調べたのである。
ペテロⅠ1:10-11(口語訳)
聖書の著者たちが、神の霊感を受けて、聖書に一貫性が保たれたように、現代ではイエスの御霊である聖霊の助けによって、真理から迷い出ることなく一貫した生き方ができると信じています。