「バーチャルウォーター」(仮想水)という言葉をご存知でしょうか。これは、ロンドン大学の名誉教授のアンソニー・アラン氏が紹介した概念だそうです。僕はつい先日知りました。すごく面白い考え方です。
バーチャルウォーターとは、食料を輸入している国( 消費国) において、もしその輸入食料を生産するとしたら、どの程度の水が必要かを推定したもの。
例えば、日本が国外から1キロのトウモロコシを輸入した場合、トウモロコシを生産するためには、1,800リットルの水が必要となります。日本で生産していた場合、本来必要となる1,800リットルの水が「バーチャルウォーター」となります。輸入元の国がそれだけの灌漑水を使って生産してくれたということです。
もし、輸入された牛肉、玉ねぎ、ごはんで牛丼を作った場合、バーチャルウォーターは、なんと!500mlのペットボトルが3780本。つまり、約2トンも必要になるそうです!
日本では安全と水はただと言われており、湯水の如くの文字通り、蛇口をひねれば、おいしい水がほとばしり出てくるので、なかなか水の価値を意識しいくいです。でも、事実、普段何気なく食べている食物には目に見えない大量のバーチャルウォーターが使用されており、世界の水不足は決して他人ごとではないということです。
一方でイエス・キリストが唱えた概念は、「リビングウォーター」(生ける水)でした。
祭の終りの大事な日に、イエスは立って、叫んで言われた、「だれでもかわく者は、わたしのところにきて飲むがよい。わたしを信じる者は、聖書に書いてあるとおり、その腹から生ける水が川となって流れ出るであろう」。
ヨハネ7:37-38(口語訳)
パスカルは、「全ての人の心には神の形をした穴がある。それは神のみがその子、イエス・キリストを通して埋めることができる。」と言いましたが、別の言い方をすれば、人間の心の渇きは、リビングウォーターでしか満たせないということです。
次回、吉野家へ行った時は、牛丼を前にして、まず、両手を合わせて目をつぶり、リビングウオーターに思いを馳せます。そして、目を開けてバーチャルウォーター2トンを思うようにします。