スターフィールド[Starfield]

クリスチャンバンドについて

以前クリスチャンバンドの定義について、「共通した特徴は、歌詞カードの『SPECIAL THANKS(感謝をささげる人々)』欄の最初に『GOD(神)』を書き込むことである。」と書きました。一般的にバンドサウンドは聴衆と一緒に歌うというよりも何かを表現したり、伝達したり、空間を共有するのに優れていると思います。一方でワーシップサウンドは空間を共有することはもちろんのこと、聴衆と一緒に歌うことを目的としている場合が多いと思います。もちろん、例外もありますが、一般的にワーシップサウンンドは楽曲がメロディックで歌いやすく、サウンド全体に調和がとれています。バンドサウンドは伝わりやすく、サウンドはボーカルよりも楽器が強めの場合もあるというのが特徴であると思っています。

路線はバンドならバンド、ワーシップならワーシップという場合が多いのですが、今回紹介するStarfieldというバンドは、もともと小さな教会でワーシッップリーダーをしていた兄弟2人によって始められたバンドで、バンドサウンドでありながら、ワーシップ色が濃厚な曲が多く、バランスが取れたバントだと思っています。

スターフィールド

スターフィールドは2000年に結成されたカナダのウィニペグ出身のクリスチャンバンドです。クリスチャンレーベルであるSparrow Recordsに所属していましたが、今は独立しているようです。これまで5枚のアルバムをリリースしており、アルバムはカナダだけではなくイギリスやアメリカでもチャートに入っており、GMAカナダコベナントアワードも受賞しています。近年ではバンドメンバーのソロアルバムもリリースしているようです。

GMAカナダコベナントアワード(GMA Canada Covenant Awards)とは、カナダのクリスチャン音楽の日本レコード大賞のようなものです。アメリカにおけるクリスチャンミュージックでは、ドーブアワード(Dove Awards)があります。

バンドはギタボであるティム(Tim)とジョン(Jon)によって始められました。当初彼らはカナダの小さな教会でワーシップリーダーをしていたようです。2000年頃にデモのレコーディングを開始し、無名のバンドにもかかわらす、デモ音源の「Tumbling After」がいきなりカナダで2万枚を売り上げる実績を出します。リーダーのティムはこのように言っています。「記録するためにレコーディングすることは楽しいことだと思ってたんだ。起こったことはただの神様の忠実さを驚くばかりに証をしたにすぎないんだよ!」と言っています。スターフィールドの目的は、「イェス・キリストを高く掲げること。なぜなら、キリストは世界中の人々を無視することができないから。」

ティムとジョンは兄弟です。
Starfieldのポイント(完全なる主観)
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音源について

Beauty in the Broken (2006)に収録されている「Unashamed」は同バンドの名曲中の名曲です。イェス・キリストの震える究極の恵みを静かに美しいメロディーでエモーショナルに歌い上げています。「自分が持っているもはすべて自分で得たものだ。自分が持っているもので与えられていないものなんてない。」と傲慢な気持ちになりかけた時は、この曲を聴きたくなります。十字架のゆえに価値あるものになったこと。持っているものはすべて与えられていることを知り、感謝に溢れる賛美です。

Starfield
Unashamed

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(一部抜粋)

I have not much
To offer You
Not near what You deserve
But still I come
Because Your cross
Has placed in me my worth

僕があなたに仕えるなんてとんでもない
何ももってないんだ
あなたのそばにいる資格もない
でも、今日もあなたの前にきました
十字架のゆえに価値あるものとなったからです

Oh, Christ my King
Of sympathy
Whose wounds secure my peace
Your grace extends
To call me friend
Your mercy sets me free

キリスト わたしの憐れみ深い王よ
彼は平安をわたしに与える
あなたの恵みは広く
わたしを友と呼んでくださる
あなたの憐れみがわたしを自由にしたんだ

And I know I’m weak
I know I’m unworthy
To call upon Your name
But because of grace
Because of Your mercy
I stand here unashamed

自分が弱いことも知っている
わなたの御名を呼べるほどの価値がないことも知っている
でも、恵みのゆえに
あなたの慈しみのゆえに
恥じることなく御前に立ちます

The Saving One (2010)に収録されている「Absolutely」です。こちらの曲も静かにキリストの愛を歌っています。人としてイェス・キリストは男性として生まれており、ボーカルのティムも男性なので、男性が男性に対して愛を歌うとはいったいどういうことなのかと思ってしまいます。聖書において、この愛という言葉の使い方は注意が必要です。新訳聖書はギリシャ語で書かれていて、ギリシャ語において愛は下記のように4つの単語が使い分けられているようです。

  • アガペー:神の愛
  • フィレオ:兄弟愛や友愛
  • エストルゲ:家族愛
  • エロス:恋愛

つまり、キリストの愛とは、罪人である人間に対し、神が注ぐ自己を犠牲にした愛のことであり、命を捨ててまで愛してくださった神の愛を賛美して歌っています。

Starfield
Absolutely

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(一部抜粋)

Lover of my soul
I want to tell you
Only you have all of me
I cannot contain my adoration
I’m in love so desperately

わが魂の愛する方
あなただけがわたしのすべて
私の中にはあなた以外に礼拝するものはない
何が何でもあなたの愛にとどまる

No one is as lovely as you are
There is no one else who has my heart

あなたのような愛すべきお方は他にはいない
わたしの心をすべてご存知の方はほかにはいない

Jesus you have me completely
Every breath I breathe
I am absolutely in love
Jesus I am yours forever
All of me surrenders
I am absolutely in love with you

イェスよ 完全に私を所有する方よ
私が呼吸するすべての息
何が何でもあなたの愛の中にいる
イェスよ わたしは永遠にあなたのもの
あなたにあけ渡します
私は絶対的にあなたとともに愛の中にいます

Beauty in the Broken (2006)に収録されている「Son of God」です。日本のhitchord.comという音楽メディアがスターフィールドをこのように評しています。

星まで届く黄金のメロディ。

引用元:hitchord.com

「Son of God」は、まさにこの表現がぴったりなキラキラのミドルナンバーです。美しい詩とメロディーはいつでもどこでも賛美になっているところがStarfieldらしいです。

Starfield
Son of God

ここをクリックすると歌詞が見れます
(一部抜粋)

Son of God
Shaper of the stars
You alone
The dweller of my heart
Mighty King
How beautiful You are, how beautiful

神の子
数々の星を形つくられた方
あなただけ
わが心の住人
偉大な王
なんて美しいのでしょう

Son of God
The Father’s gift to us
You alone
We’re broken on the alter of love
Precious Lamb
Our freedom’s in Your blood, it’s in your blood

神の子よ
父からの贈り物
あなただけ
愛の生贄に打ち砕かれました
高価で尊い子羊よ
自由はあなたの血潮のゆえ
自由はあなたの十字架の血潮にある

Jesus, oh Holy One
I sing to You
Forgiven
Savior, I’m overcome
With Your great love for me

イェス 聖なるお方
あなたに歌います
赦し
救い主 勝利者
偉大な愛はわたしのため

その他バンドとの活動

どうも、2014年ごろからギタボであるティムはThe Glory Boysというバンドとフューチャリングして「Tim & The Glory Boys」というバンド名で音源をリリースしたりしているようです。バンドサウンドではなく、ブルーグラスサウンドの楽曲が多いようです。

ブルーグラスとはアメリカで生まれたアコーステックなアンサンブルを奏でるストリングバンド音楽のこと。

引用元:liverocky.com


Tim & The Glory Boys
I’m Free

一方で兄弟であるジョンは2017年にソロで「We are free」というアルバムをリリースしています。こちらもバンドサウンドからは脱却し、コンテンポラリーミュージックの仕上がりになっています。聞き応えのある爽快感のある曲が多いです。

Jon Neufeld
We are free

参照リンク