朝、目を覚まし、時計を見ると、すでに7時過ぎでした。ねむけまなこをこすりながら、朝食を食べる暇もなく、急いで準備し、バベルの塔から出ました。
バスでは間に合わないので、ちょうど、交差点に停車していたタクシーを拾うことにしました。乗車してから気づきました。タクシーは直進レーンに止まっています。
最短距離で目的地に到着するためには、すぐに左折しなければなりません。おっちゃんに今から左折できるか確認したが、あっさり、不可と回答され、仕方なく信号が青に変わったので、直進してもらいました。
交差点を通過し、少し進んだところで、おっちゃんに、ユーターンして、右折するようにお願いしました。おっちゃんは、ユーターンの指示をかたくなに拒否、この道からでも目的地に行けると力説します。
朝から無理したくなかったので、おっちゃんの提案に従うことにしました。10分ほど乗車し、目的地まであと少しという時、交差点前で、明らかに左折すべきところで、また直進レーンに止まりました。
思わず、口が出た。
おっちゃんは、ひどい嘘をつきました。
信号が青に変わり、そのまま直進します。
朝から面倒だなと思いながら、
おっちゃんは、それに対して、
少し、口調を強めました。
おっちゃんは、気にかけてない様子で、
間髪入れず、かなり語気を強めて、いい抑えるように、
おっちゃんは黙りました。
タクシー内に嫌な空気が流れます。
私は遅刻するのが心配で、頻繁に、時計に目をやっていたら、場の空気を改善するためか、おっちゃんから、「今日は仕事かい。」と話かけてきました。
私はすぐに返答しませんでした。
いや、できませんでした。
今から教会へ行くなんて、とてもじゃないけど言えませんでした。
怒ったことを恥じ入りました。私は、動揺して、声が上ずってしまい、「うん」とも、「ううん」ともとれる返事をしました。
数分後、無事目的地に到着。
乗車賃は18元(300円程度)。通常より4元(70円)高いくらいでした。おっちゃんに53元渡し、35元を受けとりました。たった、70円のために、朝から感情が乱れてしまい、情けないと感じました。
自分の器は本当に小さいと感じ、やはり、私には救いが必要だと実感、駆け足で教会へ向かいました。
怒ることがあっても、罪を犯してはならない。憤ったままで、日が暮れることがあってはならない。
カナンの地は今日も輝いています。