中国で生活すると五感が研ぎ澄まされる
先日、夜9時に授業を終えました。帰宅するため、いつもどおり歩いていると、急に胸がカーッとなる強烈なにおいが鼻をついてきました。
すぐ前に目をやると、大量の白酒を飲んだと思われる、嘔吐が辺り一面に広がっていました。ちなみに白酒とは、コーリャンから作った56度近くある酒のことです。嗅覚の助けがなければ、危うく踏むところでした。
幾度となくこういう経験をしてきました。これは中国で住んでいる日本人に聞くと皆さん同じことを言われるのですが、中国で生活をしていると、五感が研ぎ澄まされ、生存能力が上がっていることが実感されます。
単純に日本の日常生活より、予測不可能なできごとが多いため、体が常在戦場態勢にはいっているのだと思います。いずれにせよ、中国において道路を歩くときは、日本と事情が全くことなるため、より多くのことに注意を払わなければなりません。
前後、左右はもちろんのこと、上下、360度、全方向から障害物、または、災いが降りかかってくる可能性があります。
その時、頼りになるのは己の五感と経験だけです。
中国で歩行する際の注意点を、以下に分けて、いくつか挙げようと思います。
(1)左右前後
(2)下方
(3)上方
(1)左右、前後
道路での四輪車は言うまでもありませんが、一見油断しがちな駐車場やマンション敷地内での、徐行一切無視の車両には気をつけたほうがいいです。
敷地内とはいえ、カーレースかと思わせるほどのスピードで、曲がり角から急に飛び出してくることがあります。徐行という言葉がないのかもしれません。
あと、三輪車、二輪車も同様に危険です。特に危険なのは、最高速度40キロほど出る電動自転車です。こちらの電動自転車は、日本の電動アシスト方式ではなくて、電力で動く原動付き自転車です。
一応、ペダルはついていますが、こがなくても前進します。基本的には30キロ程度しか出ないが、改造次第で40キロほどまで出せるそうです。電気自動車同様、無音状態で高速で接近してくるため非常に危険です。
あと、注意すべきものは、人ごみや横断歩道などで、やたらと当たってくる、当たり屋のおばちゃんくらいです。
(2)下方
日本同様、動物の排泄物は言うまでもなく、ねずみや猫が車両に轢かれて、ペッチャンコになったプレスアニマルが意外に多いです。よく富豪の家に敷いてあるぺったんこになったトラの絨毯をイメージして頂ければわかりやすいと思います。あれの猫やねずみ版をみかけることがあります。
その他は落ちたら絶対に死ぬようなオープンマンホールや、柵が設けられていない工事現場にある落とし穴です。あとは、破損したタイルや、雨後の路面も危険です。思っている以上に非常に滑りやすい素材で作られていることが多いので、むちゃくちゃ恥ずかしい漫画みたいな転び方をすることもあります。
(3)上方
自然発生的なものと人為的なものに分けられます。
自然発生的なもの
自然発生的なものでは、鳥の糞や木の枝や、マンゴーなどの木の実、あとは、2メートルほどある椰子の木の葉等があります。
私の同僚は、間一髪のところで、椰子の木から落ちてきた葉を避けた経験があります。椰子の葉は想像以上に重量があるそうで、歩行中、すぐ後ろでドンという音がし、振る向くと2メートルほどある葉が落ちていたそうです。
もちろん、頻繁に落ちてくるわけではないので、特に台風が過ぎ去ったあとや、雨後は、椰子の木付近を歩くのは控えたほうがよいと思われます。
人為的なもの
一方、人為的なものでは、マンションやビルの下を歩くときは要注意です。硬いものから柔らかいものまで、何でも落ちてくる可能性があります。
私が見たこと、聞いたことがあるものを列挙しますと、火のついたタバコ、容器、ちり紙、臭い液体、下着等。私の同僚は出勤中、急に頭に違和感を感じ、頭部に手をやると、濡れていたそうです。しかも、その液体は不快感を催す臭いだったそうです。彼は家に帰る時間もなく、可愛そうにそのまま学校に来ていました。
「ありえないなんて事はありえない」
以上、簡単に注意点を挙げましたが、もちろん、これは中国の広東省東莞市での事例なので、中国全土がこのような状態だとは言えないと思います。
それでも、中国の常識は、日本のそれを遥かに逸脱していると思われるので、ありえないなんて事はありえないということは認めざるを得ない気がします。
中国では何でもあり得ります。少なくとも、私の住んでいる町においては、ろくなものは落ちてきません。
しかし、聖書は告げます。
あらゆる良い贈り物、完全な賜物は、上から、光の父から下ってくる。
自然発生的にでもなく、人為的にでもなく、それは、神の意思において、下ってきます。
カナンの地は今日も輝いています。