ヒルソングサウンドについて
ヒルソング(Hillsong)はオーストラリアにある教会でキリスト教賛美で世界的に知られている教会です。ヒルソングチャーチはルーベン・モルガン(Ruben Morgan)やダーリン・チェック(Darlene Zschech)、また主任牧師であるブライアン・ヒューストンの息子であるジョエル・ヒューストン(Joel Houston)らが中心になって素晴らしい賛美を作り続けています。2018年には、「What A Beautiful Name」という曲がグラミー賞を受賞しています。
ヒルソング音楽の特徴は美麗ギターサウンドにあると思います。当初のアルバムから現在に至るまで、作り込まれたエレキギターのディレイサウンドをレイヤーのように何層も効果的に織り交ぜながら鮮やかに天国の原風景サウンドを作り出すところが特徴的です。また、驚くべきことは、すべての楽器がバランスよくミキシングされていて、そのサウンドがあたかも一つの楽器から出ているように聴こえることです。とても人間技とは思えない驚異的な調和性があります。まったく楽器の主張を感じさせないそのサウンドはヒルソング最強説が言われるほどになっています。
ヒルソングユースについて
ヒルソングはもともとは一つのサウンドでしたが、時代とともにメンバーの変化とともに様々な楽曲が提供されています。ヒルソング(本家)、4つの異なるユースグループから構成されているヒルソング ユナイテッド、さらに若いグループのヒルソング ヤングアンドフリー、ヒルソング キッズなどです。どのグループの曲も特徴があって、素晴らしいのですが、今日は、かなりマイナーなヒルソング ユースの美麗原風景的インストサウンドを紹介したいと思います。
“The church I see… whose heartfelt praise and worship touches heaven and changes earth!” @hillsongyoungandfree pic.twitter.com/TT4X26gKIx
— Hillsong Youth (@hillsong_youth) 2013年3月3日
リリースされたアルバム
- SPRING(2010)
- SUMMER(2010)
- AUTUMN(2010)
- WINTER(2010)
楽曲について(インスト)
「AUTUMN」に収録されている「Light」はインストです。光がゆれる透き通る空気感、心地よい暖かい陽光の差し込む自然の中で、空の鳥がさえずる情景はまるで人間が神の前に罪を犯す前の完全な世界を表現しているようです。それは、「おおかみは小羊と共にやどり、ひょうは子やぎと共に伏す。」世界であり、また、「わたしは安らかに伏し、また眠ります。主よ、わたしを安らかにおらせてくださるのは、ただあなただけです。」と、人間の神に対する深い愛の告白と信頼、またその奇跡を表す圧倒的な天使の賛歌のようです。
1:50が過ぎたあたりから、アコースティックギターによるバッキングでリズムが刻まれ始め、少しづつ雰囲気が変わってきます。そして、2:25から言葉にならないなるうめき、または情熱とも取れる叫びのような情緒的サウンドをディレイと少し歪みを効かせたギターによって激しく鳴り響いてきます。それは、人間が神の前に罪を犯し、愛の関係がなくなってしまう神の悲しみの予感と、実は神はそれをすべてご存知の上でそれでも人間を創造して、十字架の罪の赦しの計画を備えてくださった大きなイェス・キリストの情熱を表現しているように感じます。
その知恵は、「あなたの目は、まだできあがらないわたしのからだを見られた。わたしのためにつくられたわがよわいの日のまだ一日もなかったとき、その日はことごとくあなたの書にしるされた。」とあるとおり、わたしたちが生まれる前から神は私たちを愛してくださっていました。
3:30からは、キリストの十字架の罪の赦しは完了し、今は「あなたがたは、イエス・キリストを見たことはないが、彼を愛している。現在、見てはいないけれども、信じて、言葉につくせない、輝きにみちた喜びにあふれている。」圧倒的な心の平安が覆われています。
Light
「SUMMER」に収録されている「Grace」です。こちらも静かさの中に力強いキリストの情熱を感じさせます。エモーショナル度200%のドラマチックな鍵盤にかぶさった繊細で優しいギターサウンドが軸となっており、わたしには、「また群衆が飼う者のない羊のように弱り果てて、倒れているのをごらんになって、彼らを深くあわれまれた。」とのキリストの心情を表してるように感じます。
続いて、0:55あたりからギター、シンセ、ドラムが重なっていきます。そして、2:10あたりから、雰囲気が変わり、少しシリアスな焦燥感と切実な情景が浮かんできます。まるで失われた羊を必死になって探す羊飼いの心情を表すようです。
「あなたがたのうちに、百匹の羊を持っている者がいたとする。その一匹がいなくなったら、九十九匹を野原に残しておいて、いなくなった一匹を見つけるまでは捜し歩かないであろうか。そして見つけたら、喜んでそれを自分の肩に乗せ、家に帰ってきて友人や隣り人を呼び集め、『わたしと一緒に喜んでください。いなくなった羊を見つけましたから』と言うであろう。よく聞きなさい。それと同じように、罪人がひとりでも悔い改めるなら、悔改めを必要としない九十九人の正しい人のためにもまさる大きいよろこびが、天にあるであろう。
Grace
楽曲について(歌あり)
「WINTER」に収録されている「All You Are」です。神と交わらない魂の抑え難い叫び、飢え乾き、魂の切なるうめきが感じられます。全体的に重い雰囲気がありますが、その中にも決して見捨てない神への圧倒的な信頼がとてつもない力量で表現されています。
神よ、しかが谷川を慕いあえぐように、わが魂もあなたを慕いあえぐ。わが魂はかわいているように神を慕い、いける神を慕う。
いつ、わたしは行って神のみ顔を見ることができるだろうか。~中略~わが魂よ、何ゆえうなだれるのか。何ゆえわたしのうちに思いみだれるのか。神を待ち望め。わたしはなおわが助け、わが神なる主をほめたたえるであろう。
HILLSONG YOUTH
All You Are
「SUMMER」に収録されている「You will never leave me」はポップで心地よい楽曲です。他の曲に比べて陽性サウンドを放っています。救いの喜びをど直球に表現しており、爽やかな夏らしい爽快感が溢れるナンバーです。「You’re not gonna leave me.You’re not gonna leave my side.」と神に歌う歌詞は、「わたしがあけぼのの翼をかって海のはてに住んでも、あなたのみ手はその所でわたしを導き、あなたの右のみ手はわたしをささえられます。」と神との絶対的な愛の信頼関係が素直に表現されています。
You will never leave me
参照リンク