家の教会のドラマーが

中国での生活ももうすぐ2年になります。2年前に日本での生活の型を清算しました。学生時代、中国での長期滞在経験があったため、今では十分中国の生活形態には適応したつもりです。

人間の適応能力も見上げたもので、身体も対大気汚染仕様に変更されましたし、精神もあり得ないことがあり得ないという事実を、知っています。

ですから、大体のことにおいて、ストレスを感じることはありません。それゆえか、私は中国でストレス発散のための娯楽という娯楽は持ち合わせていません。映画も見ませんし、スポーツもしませんし、バーにも行きませんし、娯楽施設に行くこともありません。

そのため、他人の目から見た場合、私の人生がつまらなさそうに見えるためか、もっと、“人間の煩悩を大切にするように”と、ご助言を頂くこともあります。

平日は学校の授業
週末は教会の活動

そんな私の唯一の楽しみといえば、教会内にあるバンドの活動ぐらいです。これも宗教活動のひとつですが、、、

メンバーは8人で、それぞれが、ピアノ、キーボード、アコギ、エレキ、ベース、ドラムなどの楽器を担当しています。打楽器は、生ドラム、電子ドラム、カホン等充実しているのですが、ただ、いかんせん、当教会にはドラム担当者がもともとおらず、ボーカル兼ギターの趙君が仕方なくドラムを叩いていました。

四分音符は容易、
八分音符は困難、
十六分音符は非常に困難。

入れなくてもいいのにフィル(おかず)を入れると、表と裏が逆になります。でも、途中でフィルが入るので、また、元に戻ります。ずっと、こんな調子です。でもいちばん可愛そうなのは当の本人です。

しかし、先週の土曜日、そんな趙君に吉報がもたされました。新メンバーの加入です。新メンバーの張君はずっと広州の教会に通っていましたが、最近、東莞へ引っ越してきたそうです。彼は平日、音楽教室でドラムを教えています。

彼は30分ほど生ドラムのチューニングをした後、スティックを握り締め、叩き始めました。

それはそれは、ドラムの先生だけあって、速度は機械のように正確で、時にゴリラのように激しく、時に親鳥が雛を抱くように優しく、鞭で豆腐を叩いているんじゃないかと思わせるほど、繊細で、柔軟なドラミング。それに加えて、キリスト者らしく、鹿が谷川を慕いあえぐようなソウルフルなビート

彼が一通り叩き終わった時に、その空間は水を打ったように静まり返っており、私自身も感極まって、心の中で思わずブラボーと言ってしまいました。

久しぶりに、宗教的な要素以外で笑顔になれた時でした。

鹿が谷川の流れを慕いあえぐように、神よ。私のたましいはあなたを慕いあえぎます。

カナンの地は今日も輝いています。

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