中国のタクシーの運転手

朝、目を覚まし、時計を見ると、すでに7時過ぎでした。ねむけまなこをこすりながら、朝食を食べる暇もなく、急いで準備し、バベルの塔から出ました。

バスでは間に合わないので、ちょうど、交差点に停車していたタクシーを拾うことにしました。乗車してから気づきました。タクシーは直進レーンに止まっています。

最短距離で目的地に到着するためには、すぐに左折しなければなりません。おっちゃんに今から左折できるか確認したが、あっさり、不可と回答され、仕方なく信号が青に変わったので、直進してもらいました。

交差点を通過し、少し進んだところで、おっちゃんに、ユーターンして、右折するようにお願いしました。おっちゃんは、ユーターンの指示をかたくなに拒否、この道からでも目的地に行けると力説します。

朝から無理したくなかったので、おっちゃんの提案に従うことにしました。10分ほど乗車し、目的地まであと少しという時、交差点前で、明らかに左折すべきところで、また直進レーンに止まりました。

思わず、口が出た。

わたし
ここは左折するのが最短距離でしょう。

おっちゃんは、ひどい嘘をつきました。

おっちゃん
僕はここを左折したことがないんだよ。
上記アイコンは中国のタクシー運転手のわたしのイメージです。

信号が青に変わり、そのまま直進します。
朝から面倒だなと思いながら、

わたし
さっきのは絶対、曲がるべきだったよ!

おっちゃんは、それに対して、

おっちゃん
僕はいつもこの道を走るんだよ。
とわけのわからないことを言う。

少し、口調を強めました。

わたし
わざと遠回りしているでしょ!!

おっちゃんは、気にかけてない様子で、

おっちゃん
だったら、最初から左折するように指示してくれよ。直進レーンに入ってからじゃ遅すぎるよ。

間髪入れず、かなり語気を強めて、いい抑えるように、

わたし
だから、最初の時にユーターンしてとお願いしたでしょっ!!!

おっちゃんは黙りました。
タクシー内に嫌な空気が流れます。

私は遅刻するのが心配で、頻繁に、時計に目をやっていたら、場の空気を改善するためか、おっちゃんから、「今日は仕事かい。」と話かけてきました。

私はすぐに返答しませんでした。
いや、できませんでした。

今から教会へ行くなんて、とてもじゃないけど言えませんでした。
怒ったことを恥じ入りました。私は、動揺して、声が上ずってしまい、「うん」とも、「ううん」ともとれる返事をしました。

数分後、無事目的地に到着。

乗車賃は18元(300円程度)。通常より4元(70円)高いくらいでした。おっちゃんに53元渡し、35元を受けとりました。たった、70円のために、朝から感情が乱れてしまい、情けないと感じました。

自分の器は本当に小さいと感じ、やはり、私には救いが必要だと実感、駆け足で教会へ向かいました。

怒ることがあっても、罪を犯してはならない。憤ったままで、日が暮れることがあってはならない。

カナンの地は今日も輝いています。

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