バベルの塔の住民が激減して、夜中の痴話喧嘩は大幅に減ったものの、相変わらず、搭の管理がずさんすぎます。
エレベーターで9階のボタンをしっかり押したにもかかわらず、9階で止まらず、そのままスルーして最上階の22階までいっちゃうし、エレベーターは全部で6基ありますが、稼働しているのは2基だけとかです。
隣のおっちゃんの話によると、おっちゃんがエレベーターに乗っている最中に、ガタンという音とともに、エレベーターが緊急停止したそうです。焦ったおじちゃんが備え付けの緊急電話で非常事態の旨を管理センターに伝えても、センター側は大丈夫の一点張りだったそうで、結局、おっちゃんは再び動き出すのを待ち、命からがら脱出したそうです。
ある人はエレベーターの中で喫煙するし、ドーベルマンはリールなしで、廊下をウロウロしている(これは本当の話です)し、本当、列挙しだすときりがありません。
昨日は朝から部屋の前で、床の補修工事を始めていました。 というのも、1月頃から私の部屋の前の廊下の床が急に隆起し出し、床に張り巡らされたタイルがバキバキに破損していました。隆起し出した原因は不明です。9階だから地殻変動の影響を受けるはずはないのです。
ともかく、10時頃から、おっちゃんたちの笑い声と、コンコン、カンカンの音が聞こえ始め、 12時に私が外出した際は、辺りに修理工はおらず、ただただ修復前の床と道具だけが散らばっているだけでした。恐らく昼食をとりに行ったんだと思います。
それから、私は学校での用を終え、20時頃に帰宅しました。大気汚染の中、痰を量産しながら、思いっきりクラクション鳴らされて驚いたり、買い物して、そのお釣りの小銭の代わりに飴ちゃんをもらったりしながら、無事、バベルの塔へ到着しました。
エレベーター付近にはやっぱり放し飼いの犬がいましたが、幸い、犬はエレベーターに乗らず、エレベーターは順調に稼働し、9階で停止しました。
エレベーターを降りて、すぐ左折、少し期待の心をもって、部屋の前の床に目をやりましたが、現われたのは、やっぱり、隆起したままの床でした。
補修がなされなかった理由は分かりませんが、床補修項目がおっちゃんたちの優先順位から落ちたことは確かです。
「なくてならぬものは、多くはない。」
カナンの地は今日も輝いています。