発音こそが重要
中国の書店にほとんど必ずある英語教材があります。頼世雄という台湾の英語教師の書籍で中華圏で絶大な支持があります。シリーズは発音から上級まで7冊に分かれており、頼先生の面白い講義CDもついているので、非常に楽しく勉強できます。教材の特徴は最初にまるまる一冊使って発音を集中的に徹底的に学習することです。その一冊が習得できれば、すべての教材に発音記号が必ずついているので、発音記号を見て正しい発音を言えるようになるのです。
語学を勉強する上で発音は非常に重要です。なぜなら、自分が正しく発音できない音は聴き取れないと言われているからです。ですので、リスニングの前に必ず、学習する言語の発音を徹底的に学ぶ必要があるというわけです。
中国人にとっての中国語
中国は56民族あると言われていますが、それは便宜上56に分けられただけであって、中国人であっても聴き取れないレベルの方言は数百をくだりません。北京人は上海の方言を聴き取れませんし、上海人は広東人の方言を全く聴き取れません。つまり、きれいな中国語である普通語を中国人も勉強しないといけないのです。
もちろん、文法や漢字表記は全く同じですが発音が全く異なるのです。中国人が普通語を話せるのは、ただ、中国人が義務教育として、普通語と認定された北京語を勉強しているからです。ですので、義務教育で普通語を勉強したことのないご高齢の中国人の方は方言しか話せないので、中国人でも聴き取りが難しいです。
大学時代の先生
大学時代のゼミの先生は外国人で初めて中国でアナウンサーの資格を取った人でした。これは中国人にとって驚くべきことであり、以降外国人が中国のアナウンサーの資格を取ることができなくなったと聞いています。(今はわかりませんが)
この先生はもれなく発音にかなり厳しかったです。入学した時点から、中国語の発音をカタカナで書くことを厳しく禁じていました。どんなに簡単な発音でも、例えば你好をニイハオと書いて覚えてはならないのです。中国語の発音表記であるピンインと言われるものをしっかり学習して、発音記号を見て正しく発音できるようになることにかなり時間がさかれたと記憶しています。
語学学習の基礎体力
じゃあ、お前の中国語は完璧なのか?と言われたら、はやり母国語の影響を受け続けています。スポーツを毎日しないと体力が落ちていくように、毎日積み重ねるように訓練をし続けないと、中国語筋(中国語の発音をするのに必要な口の筋肉)が落ちてしまうからです。
それぞれの言語には、かならず英語筋、スペイン語筋、アラブ語筋などがあると思います。ですので、語学学習を始められるのであれば、まずは基礎筋力である発音を、しっかり時間をかけて習得してみるのはいかがでしょうか。