ユナイテッドの魅力
「あなたの人生に最も大きな影響を与えた音楽を3つあげてください」という質問があれば、わたしは間違いなくヒルソング ユナイテッドを挙げます。私にとって、彼らは憧れのアーティストという存在以上で、永遠にキリスト教信仰の兄貴分的な存在です。彼らが初めて音源をリリースして20年が経過しますが、リリースされたアルバム1枚1枚とわたしの人生が紐づいています。
UNITEDは、極めて繊細なバンドです。かすかな風に揺れる葉の動き、1日の時間の経過とともに変化する木漏れ日がつくる陰、道路の隅の方で咲いている小さな花の香り、風のない日に魚の動きに沿って動く湖面の小さな波、遠くの森から聞こえる昆虫の飛ぶ羽音などなどわずかな動きや変化を機敏に感じ取る霊的な感受性があると思います。そして、彼らはイェス・キリストとの関係の中で、霊的に感じ取ったこれら感覚すべてを、作詞作曲、及び、楽器を通して、表現できるからこそ、イェス・キリストの愛や恵や豊さ、また憐れみを人々に伝えることができるんだと思っています。霊的濃度計測器なんかないので完全に主観になってしまいますが、霊的濃度はかなり濃いめ、つゆだくメガ盛り、生姜かなり多めだと思います。
また、彼らはステージに立っていても「俺が俺が」感が全くゼロです。初めてUNITEDのDVDが出た時の映像は、もちろん、ワーシップリーダーの顔は映っていますが、演奏者(ギタリストやベーシストなど)で映るのはほとんどが手の部分だけで、何が何でも、ステージ上での栄光や称賛は自分達には帰さないという強い意志が見て取れます。神様に栄光を帰すことに関して一切妥協しない徹底的な信仰があると思います。
ヒルソングユナイテッドについて
We are LIVE at #hillsongconf with songs from our brand new album WONDER https://t.co/FJTqS5AwV8 pic.twitter.com/r0HhtfVaZQ
— Hillsong United (@hillsongunited) 2017年7月6日
UNITEDは1998年に結成されて以来、メンバーを少しづつ変えながら、今日に到るまで20年間活動が続けられています。クリスチャンチャートでは常に上位ランキング常連でしたが、2013年に「Oceans (Where Feet May Fail)」が遂にアメリカのビルボードTOP100で83位にランクインします。現在リーダーはヒルソングチャーチの主任牧師ブライアン・ヒューストン(Brian Houston)の長男であるジョエル・ヒューストン(Joel Houston)ですが、初めは、ルーベン・モルガン(Reuben Morgan)がUNITEDを引っ張っていました。1998年から2002年まではルーベン時代です。ちなみに、この時、ジョエルはベースを弾いています。
ルーベン・モルガン(Reuben Morgan)
ジョエル・ヒューストン(Joel Houston)
そして、2002年にルーベンがUNITEDを抜けた後、マーティーサンプソン(Marty Sampson)とジョエルの2強時代が始まります。ルーベンが抜けたあとのファーストアルバム「More Than Life」(2004)は初めてのDVDつきCDだったこともあり、日本のキリスト教キッズは映像で見るキリスト教のライブの凄まじい盛り上がりに感嘆し、またその高い音楽性、何より霊的濃度の高いワーシップに感銘を受け、大いに奮い立たされたのでした。2004年は日本のキリスト教キッズにとってのワーシップ2.0の元年となりました。同アルバムに収録されている「One Way」は日本語に翻訳され今なお歌われ続けています。
マーティーサンプソン(Marty Sampson)
マーティーとジョエルはアコースティックギターをもって横並びにステージに立ち、曲ごとに2人でワーシップをリードするスタイルが印象的で、まさに、二人三脚でUNITEDを引っ張っていたようです。当時、UNITEDといえば彼ら2人の存在が大きかったです。マーティーの作った曲は数十曲ありますが、有名な曲に「My Best Friend」、「In Your Freedom」、「Devotion」などがあります。「ちょっとそこにいる僕の友達のイェス・キリスト連れてくるよ」といわんばかりの彼とキリストの濃密な関係を感じ取れる曲が特徴的です。一方、ジョエルは100曲近く作っているようです。名曲ぞろいですが、特に有名な「From The Inside Out」、「Oceans (Where Feet May Fail)」、「Search My Heart」などがあります。真摯で一直線です。聴く時は襟を正して、組んでいた脚をもどして、時には正座して聴きたくなるほど神の前に静まり集中できる曲が多いです。
ただ、二強時代はマーティーが2006年にミシェルと結婚し、正式にUNITEDを抜けたことにより終了します。マーティーは引き続き、ヒルソング本家のほうで活動しています。その後、UNITEDは以前からサイドボーカルをしていたJD(Jonathon Douglass)やジャッドウィン・ギリーズ(Jad Gillies)、マット・クロッカー(Matt Crocker)たちがすでにワーシップリーダーとして作詞作曲もできる器になっていて、彼らがジョエルと一緒にUNITEDを牽引しています。2006年からは若干のメンバーの変更や追加はありますが、基本的なメンバーは変わってないようです。
JD(Jonathon Douglass)
ジャッドウィン・ギリーズ(Jad Gillies)
マット・クロッカー(Matt Crocker)
楽曲について(ライブ)
UNITEDはライブバンドです。リリースしている音源も圧倒的にライブCDが多いです。この点が普通のアーティストと異なるところです。ジャンルがワーシップである以上、ライブは神と礼拝部隊とオーディエンスが作りあげるものでコミュニケーションの精度が非常に高いです。スタジオで録音するのとは全く違い、鮮度が高いのも特徴的です。UNITEDのライブ音源で何が何でも絶対に外せないのが、「The I Heart Revolution: With Hearts as One」(2008年)と「Live in Miami」(2012)です。バンドサウンド全体の音圧はそこまで高くないにもかかわらず、凄まじい熱狂的な盛り上がり方を見せています。
「Live in Miami」(2012)に収録されている「GO」は、ライブ一曲目のオープニングにふさわしい楽曲です。マットがメインボーカルです。ジョエルがパーカッションから途中でギタボになり、ジャッドもギタボで最高の安定感。その中でJDはメガホンをもって踊り狂っています。父なる神のもとに自由があり、イェス・キリストのもとに希望がある、だから、今みんなですべてを捧げて歌おう!という曲です。2:37あたりから「WE ARE THE CHAMP ~THE NAME OF THE GAME~」のフレーズが入って一層の盛り上がりを見せています。
GO
「The I Heart Revolution: With Hearts as One」(2008年)に収録されている「Take It All」です。スペイン語圏で行われたライブで英語とスペイン語でJDがメインボーカルで歌っています。序盤はマイクをオーディエンスに向けてほとんどオーディエンスに歌わせていますが、1:08のところで、オーディエンスにマイク向けたところ、反応が薄かったため、ジョエルがギターを弾きながら、笑顔であごでお前が歌えと指示を出しているシーンがあり、UNITEDのワーシップチームとしての暖かい雰囲気を垣間見れます。ライブ自体は、全員、熱狂、発狂の様相を呈しています。
Take It All
同じく「The I Heart Revolution: With Hearts as One」(2008年)に収録されているジョエルが作曲した「From The Inside Out」です。水滴のかかった美しいディレイギターサウンドのイントロがキリストの愛によって溶かされる心を表現しているようです。わたしは、何千回も失敗しましたが、あなたの憐れみはいつもそこにありました。また、わたしが躓き倒れても、わたしはいつもあなたの恵の中にいました。イェス・キリストの朽ちることのない永遠なる栄光を文字通り、心の中から全身全霊で賛美している名曲中の名曲です。
From The Inside Out
楽曲について(スタジオ)
UNITEDとしてはこれまでスタジオ音源はそれほど多くなかったのですが、2011年ごろから2年に一枚くらいのペースでスタジオ音源をリリースしています。聴いてみますと、やはり、スタジオでの録音でしか表現できない音が使われており、音圧も少し高めいずれの曲もでミキシングが絶妙に効いています。
「Empires」(2015)に収録されている「Touch The Sky」です。タヤ(Taya Smith)という女性ボーカルが歌っています。イェス・キリストを知ることのスケールの大きい世界観が伝わってくる曲です。神の前に命を差し出した時に、命を見出し、へりくだって、神の前に膝を掲げた時になんと天に触れたと歌っています。イェス・キリストは「わたしが自分のいのちを再び得るために自分のいのちを捨てる」と言いました。ペテロは「弱い時にこそ、わたしは強いと言いました。」聖書の逆説の真理の美しさです。
Touch The Sky
最新スタジオアルバム「WONDER」に収録されている「Greatest Of These」です。ジョエルのハスキーボイスが存分に生かされたスロナンバーです。PVの歌詞がすべてCDジャケットのタイトル名に印刷されており、流れるような映像の中でしっかりと歌詞を噛みしめられる映像となっています。
Greatest Of These
「Aftermath」(2011)に収録されている「Search My Heart」です。全知全能の神の前にへりくだり、真実な謙虚な心を捧げている曲です。神に全幅の信頼を置いている者しか歌えないです。静かな曲の中にも力強さが感じられ、マットの透明度の高い透き通る声が聴く者の心を神に向かわせるようです。シンセサイザーベースのリズムからドラムへの移行とその盛り上がり、また、ブリッジからサビへ「あなたがいなければ、わたしはなきに等しいものです。」のリピート部分から神への愛慕は最高潮に達します。
Search my Heart
参照リンク
- HillsongオフィシャルWebサイト
- UNITEDオフィシャルTwitter
- UNITEDオフィシャルInstagram
- UNITEDオフィシャルfacebook
- wikipedia Hillsong UNITED